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頭痛といっても1つじゃない!タイプ別の慢性頭痛と東洋医学の慢性頭痛

頭痛といっても1つじゃない!タイプ別の東洋医学の慢性頭痛

頭痛といっても1つじゃない!タイプ別の慢性頭痛と東洋医学の慢性頭痛

 

みなさんは、片頭痛はお持ちですか。

 

日本人では、1000万人以上の人が頭痛持ちで、女性に多いという統計結果がでています。

 

「頭痛なんて」っていう方もいますが、頭痛持ちの方からかなり深刻な問題です。

 

 

今回は頭痛の種類と薬、また東洋医学的な考え方についてお話していきます。

 

 

頭痛の種類

 

 頭痛には、大きく分けて3つ種類あります。

 

  • ・緊張性頭痛
  • ・片頭痛
  • ・群発性頭痛

 

 また今回は、なんらかの病気の症状として起こる頭痛(脳出血、脳腫瘍など)は除いて考えています。

 

緊張性頭痛

日本人に最も多いとされ、頭全体や後頭部がぎゅーっと締め付けられるように痛みます。

 

首や肩周囲の筋肉の緊張によって、乳酸などの老廃物が貯まり、これらが発痛物質となり頭痛が引き起こされます。

 

 

筋肉の緊張が原因であるので、ストレッチなどで筋肉を動かしたり、入浴で肩や首を温めると楽になるなどが有効です。

 

 

片頭痛

女性に多く、片側のこめかみから目のあたりにかけてズキズキと脈を打つように痛みます。

 

 

また片頭痛の代表的な前兆として、目の前にチカチカ・キラキラするといった症状 (これを閃輝暗点という)があり、15~30分ほど起こってそのあと頭痛が始まります。

 

 

原因は解明されていませんが、頭の中の血管が広がって神経を圧迫して起こると言われ、その血管が広がる原因として、セロトニン説と三叉神経血管説があります。

 

  • ・セロトニン説

ストレスなど何らかの刺激により、血小板から大量のセロトニンが分泌されます。

 

大量のセロトニンにより一時的に血管が収縮して、この時に前兆症状が起きます。

 

その後、セロトニンが分解されると、血管が拡張していき神経を刺激し痛みを引き起こすというものです。

 

 

  • ・三叉神経血管説

顔の神経である三叉神経がストレスなどの刺激を受けると神経ペプチドという発痛物質を放出し、血管を広げて炎症を起こします。

 

この炎症による痛みと、広がった血管が周囲の神経を刺激して痛みを引き起こすというものです。

 

どちらの説でも血管が広がって頭痛を引き起こすため、対処法は患部を冷やすとよいと言われています。

 

 

群発性頭痛

他の頭痛に比べすくないですが、男性に多く、1~2ヵ月に集中して現れ、片側の眼の奥や周りから側頭部にかけて「眼がえぐられる様な」と表現される程の激しい頭痛です。

 

 

原因ははっきりしていませんが、目の後ろにある動脈の炎症を起こし、周囲の神経を刺激するとことが原因と言われています。

 

 

タバコやアルコールで誘発されることが多いので、群発期間中は控えるようにしましょう。

 

 

頭痛の治療法

 

ここからは、先ほど挙げた頭痛について、薬での治療法と鍼灸の治療法をお話していきます。

 

 

頭痛の薬

緊張性頭痛の場合は、痛みを抑えるNSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤)が主体となっています。よく聞かれるロキソニンやバファリンがこれに当たります。

 

 

また頭痛で処方される筋弛緩薬は、筋緊張を改善するという意味では根本治療としての薬ともいえます。

 

 

片頭痛では、頭痛発作を抑える薬と痛みの再発を抑える予防薬の二種類があります。

 

 

またNSAIDSも血管から出た炎症性物質を抑える点で有効です。

 

 

群発性頭痛では、糖尿病の患者さんのような自己注射の薬が即効性があるとされています。

 

 

また保険適応外になりますが、点鼻薬もあります。

 

 

 

頭痛の鍼灸治療

さて、次に鍼灸治療では、どうなっているのでしょうか?

 

 

筋緊張性頭痛では、首肩周りの筋肉の緊張を取るために施術していきます。

 

 

ツボでいうと、天柱(てんちゅう)・風池(ふうち)・完骨(かんこつ)・肩井(けんせい)などが挙げられます。

背中のツボ

 

三叉神経痛における鍼灸治療では、三叉神経の領域に鍼灸をしていきます。

 

 

ツボでいうと、頷厭(がんえん)・懸顱(けんろ)・頭維(ずい)・太陽 などです。

側頭部のツボ

 

群発頭痛でも、筋緊張性頭痛のような頸部周りのツボを用いることが多いようです。

 

 

 

東洋医学的な頭痛の考え方

 

まず大きく2つ分けられ、外邪を受けて起きる外因性というものと、気・血・津液の不足、もしくは滞りにより起こるもの内因性というものがあります。

 

 

外因性のものは感冒によるものが多いため、今回は省略いたします。

 

 

 

内因性頭痛

東洋医学では体内には気血津液が全身を巡って健康を保っています。

 

内因性の頭痛では、この気血津液の不足や流れの滞りが病を引き起こすと考えられ、以下の4つがあります。

 

 

  1. 1.肝気鬱結
  2. 2.痰湿
  3. 3.血虚
  4. 4.血瘀

 

 

 

肝気鬱結

肝気鬱結では、怒りによるイライラで気が滞り、頭痛を起こすものです。

 

 

片側のコメカミや頭頂部が痛み、眩暈伴うこともあります。

 

 

東洋医学では肝は気の流れを司っていますが、この作用は怒りの感情で不調を起こします。

 

 

肝気鬱結では、気を巡らせる太衝などのツボを使います。

 

 

 

痰湿

痰湿では、甘い物や脂濃い物の過食で痰湿という物質ができます。

 

 

これが頭の経絡を滞らせて頭痛を起こります。

 

 

頭の重怠さやぼんやり感が主とする頭痛で、天候が悪い時に悪化するものです。

 

 

痰湿では、津液の流れを良くする豊隆などを用います。

 

 

 

血虚

血虚では、血の不足により脳髄が栄養できなくなり頭痛を起こします。

 

 

頭がクラクラして痛みが、痛みが長く続く。

 

 

血虚では血を補うツボである血海などを用います。

 

 

血瘀

瘀血では、長い病気や外傷などにより、瘀血ができ頭部の経絡に阻滞して起こる頭痛です。

 

 

いつも決まった所が刺すように痛くなる頭痛です。

 

 

血瘀では、血の流れを良くする三陰交などを用います。

 

足のツボ

 

 また部位によって、前頭部は陽明頭痛、頭頂部は厥陰頭痛、側頭部は少陽頭痛、後頭部は太陽頭痛に分けられ、痛む場所付近のツボを加えることもあります。

 

 

前頭痛は陽白・上星、頭頂痛は百会・前頂、側頭痛は率谷や太陽、後頭痛は天柱・後頂を使います。

 

頭の部位部位別 ツボ

 

筋緊張性頭痛では、温罨法やストレッチ、マッサージをおススメします!

 

筋緊張性頭痛では、筋肉の緊張によるものなので、自宅でのケアでも十分に対処できます。

 

 

周囲の筋肉を緩めるように、首肩を温めたり、先ほどのツボ押しなどが有効です。

 

 

頭痛でお困りの方は、参考にしてみて下さい。

 

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