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かぜって鍼灸で治るの?【かぜを治す東洋医学とは】

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かぜを引くの多くは、免疫力が下がっている時に外部の変化に対応しきれない時におこります。

 

 

例えば暑い夏は寝苦しいので、クーラーや扇風機などをつけっぱなしで寝てしまう方も多くいらっしゃるでしょう。

 

 

しかし、うっかりタイマーもかけずにそのまま寝てしまうと、朝、喉が痛いとか、クシャミなど風邪の症状が・・・

 

冷房

 

 

夏に限らずどんな時期でも風邪には注意が必要です。

 

 

風邪を引いたら病院行くか、薬局いくか・・・と思います。

 

 

実は鍼灸でも風邪の治療は出来ます。

 

 

今回は、風邪についてお話していきます。

 

 

風邪

 

 

西洋医学では、風邪を『かぜ』と呼びますが、東洋医学では『ふうじゃ』といいます。

 

 

ややこしくなってしまうので、今回は西洋医学を平仮名で記載していきます。

 

 

かぜとは

 

 

先程、かぜと書きましたが、正式には『かぜ症候群』といいます。

 

 

倒れる

 

 

空気中のウイルスが呼吸により、口や鼻から侵入することで起こります。

 

 

ウイルスが鼻から気管支(きかんし)という空気の通り道の間で、急に炎症を起こしたことを指します。

 

 

ウイルスの違いにより症状が変わってきます。

 

 

これがインフルエンザウイルスなら、俗にいう『インフルエンザ』となります。

 

 

主な症状はくしゃみや鼻水、喉の痛み、発熱などがあります。

 

 

風邪2

 

 

かぜの治療

 

 

実はかぜに特効薬はなく、症状を抑えるものがほとんどです。

 

 

薬剤

 

 

それはかぜの原因のウイルスのほとんどが、免疫機能で十分対処できるためです。

 

 

ウイルスを倒すより、発熱や喉の痛みなどの症状を楽にして、身体を休めさせて自然治癒力を高める方が早く治っていきます。

 

 

しかし、インフルエンザは高熱を出したり感染力が強いので、病院を受診することをおススメします。

 

 

 

東洋医学のかぜとは

 

 

東洋医学では、かぜは気候の変化が関係していると考えられています。

 

 

気候の変化で身体に悪影響を与えるものを外邪(がいじゃ)と呼び、気候の変化を風(ふう)・火(か)・暑(しょ)・湿(しつ)・燥(そう)・寒(かん)の6つに分けられます。

 

 

それぞれの気候に邪をつけて呼びます。

 

 

かぜは、風邪(ふうじゃ)が、寒邪か熱邪一緒に入ってきて引き起こされます。

 

 

それぞれ寒邪と一緒に入ったものを風寒(ふうかん)、熱邪が一緒に入ったものを風熱(ふうねつ)と呼びます。

 

 

これらの中で寒気などの冷えている症状が強かったら風寒、発熱など熱の症状が強かったら風熱となります。

 

 

体温計

 

 

東洋医学では、これらの邪に対応した治療法を行っていきます。

 

 

東洋医学のかぜ治療

 

 

それでは東洋医学でのかぜの治療法についてお話していきます。

 

 

東洋医学の外邪の治療には、汗を出さして治療する『汗法(かんぽう)』という治療法を行っていきます。

 

 

汗

 

 

汗をかくには、体力がいります。

 

 

なので布団などで温かくして、外邪と戦いやすいように休息をとってあげる必要があります。

 

 

かぜの漢方治療

 

 

まずは漢方薬についてお話します。

 

 

漢方

 

 

風邪は背中にある風門(ふうもん)というツボから侵入し、首筋を通って頭にある風池というツボに集まります。

 

 

さらに寒邪は、収引という筋肉を縮ませ硬くする性質があり首こり、肩こりを引き起こします。

 

 

かぜの時に首や肩が凝ってしまうのはこのためで、この時よく効くのが葛根湯(かっこんとう)です。

 

 

首コリ

 

 

またインフルエンザで関節の節々が痛くなることがあると思います。

 

 

この時に使うのが麻黄湯(まおうとう)です。

 

 

これらの漢方薬は身体を温め、汗をかかせることで外邪を追い出していきます。

 

 

そのため漢方薬を飲む時、身体が温まりやすいように、顆粒はお湯に溶いて飲んであげると効果的になります。

 

 

漢方薬に『湯(とう)』という漢字が使われているのは、中国語で『スープ』を意味しているからです。

 

 

スープ

 

 

逆に風熱の場合は、身体を冷やしてあげる必要があります。

 

 

そのために使われるのが、『銀翹散(ぎんぎょうさん)』です。

 

 

これには、東洋医学では、熱症状とされる喉の痛みや声の嗄れにも効果があります。

 

 

かぜの鍼灸治療

 

 

鍼灸

 

 

先程は漢方薬での治療法を紹介しました。

 

 

鍼灸でかぜの治療はどうするのかについてお話していきます。

 

 

風寒と風熱で用いるツボはあまり変わりません。

 

 

今回は代表的なツボを5つ挙げていきます。

 

 

  • ・風池
  • ・風門
  • ・大椎(だいつい)
  • ・外関(がいかん)
  • ・足三里(あしさんり)

 

 

風邪のツボ

 

 

風池は風邪が集まるとされ、ここに鍼やお灸をすることで風邪を取り去ることができます。

 

 

風門は、風邪が入るところツボで、かぜの初期に背中のゾクゾクするのがこの辺りだと言われています。

 

 

大椎は、身体の熱分が集まっているところです。

 

 

ここは風熱の場合は鍼で、風寒の場合はお灸で対応していきます。

 

 

せんねん灸

 

 

外関は、外邪から身を守る気に効果があるツボとされています。

 

 

足三里は身体のエネルギーの高めるツボのため、免疫機能にも効果があります。

 

 

これらのツボを風寒か風熱かで分け、鍼やお灸を使って治療をしていきます。

 

 

東洋医学での治療は、身体の免疫機能を高めてより自然な形でかぜを治癒に向かわせていく特徴があります。

 

 

まとめ

 

 

かぜは季節を問わず、誰にでも起こり得る身近な病気です。

 

 

西洋医学では、根本治療ではなく薬で症状を抑え、自然治癒力によって治すようになっています。

 

 

東洋医学では、風寒か風熱か鑑別して治療を行っていきます。

 

 

風寒の場合は、漢方薬では葛根湯や麻黄湯、鍼灸では風池、風門、大椎、外関をお灸で治療します。

 

 

風熱の場合は、漢方薬では銀翹散、鍼灸では風池、風門、大椎、外関を鍼で治療します。

 

 

またどちらの場合でも、足三里で免疫力を強くすることも有効です。

 

 

西洋医学も東洋医学も安静にして、身体が病気と戦いやすい環境を作ることが大切です。

 

 

自然治癒力

 

 

しかし、インフルエンザや長引くものは、無理せずに病院へ行くことをおススメします。

 

 

かぜでお困りの方の参考になれば幸いです。

 

 

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東洋医学的な風邪の考え方

風邪の時の鍼は良い?むしろ積極的に受けて欲しい理由とは?

東洋医学的な風邪の考え方

 

 

鍼灸を受ける際に気を付けて欲しい事。

それは風邪を引いているかどうか。

 

 

風邪をひいて具合が悪い男の子

 

 

風邪を引いている時こそ、鍼を受けて頂きたいと思います。

 

 

鍼灸というと、肩こりなどの凝りに対してしか効果がないと思われがちです。

 

 

肩に鍼をうっている画像

 

 

実は、鍼は風邪を初めとした様々な疾患に効果を発揮するのです。

 

 

今回は、なぜ風邪の時に鍼を受けて頂きたいかを、ご紹介していきます。

 

 

東洋医学はなかなか奥が深いですよ。

 

 

 

東洋医学では風邪をどう考えている?

 

顎に手をおき考える女性

 

 

東洋医学では、病の原因を内因(ないいん)・外因(がいいん)・不内外因(ふないがいいん)の3つに分けて考えています。

 

 

 

内因とは?

五志

 

 

内因とは感情を司る喜・怒・憂・思・悲・恐・驚精神的過労など、体の中からくる原因の事をいいます。

 

 

仕事でうまくいかなかったり、恋人と喧嘩したりは勿論の事。

 

 

過剰に悲しんだり、怒ったりすると体へのストレスになり、免疫力が落ちるのです。

 

 

五志と免疫力の低下の説明

 

 

珍しいところだと、1億円の宝くじが当たるなどうれしい出来事も、体をおかしくする原因だと考えています。

 

 

 

外因とは?

五悪・五季

 

 

外因とは風・寒・暑・湿・燥・火など外の環境の変化及びに、体を動かし過ぎての疲労などが原因となり、体調をおかしくするものだと考えられています。

 

 

受験が始まる冬にインフルエンザや風邪が流行りますし、季節の変わり目には体調を崩しやすいです。

 

 

このような外からの影響を外因(がいいん)といいます。

 

 

 

不内外因とは?

不内因外因

 

 

不摂生な生活や不慮の事故、食あたりなど、感情や外的環境に属さないものになります。

 

 

これらも体調を崩す原因となるものです。

 

 

 

そして風邪はこう起こる。

外邪の一例

 

 

外因である寒や風の悪いものを東洋医学では、邪(じゃ)といいます。

 

 

この寒邪や燥邪が皮膚や毛穴、汗腺などの体の穴から入る。

 

 

また、経絡と呼ばれるツボで繋がれた道路にはいり、この経絡という道路が臓腑や骨に続いていてその内まで入ってくる。

 

 

この時に肺が邪に犯されると、風邪を引くといった具合です。

 

 

東洋医学で考える風邪の発症

 

 

そして、ここがポイント。

 

 

外因である邪が体に悪さを起こそうとしても、内因(過度な感情)によって体が弱っていなければ病は起こらないのです。

 

 

病は気からではないですが昔の医者は、感情が傷ついていると人は体を壊すという事を知っていたのですね。

 

 

 

風邪には段階がある。

 

西洋医学でもそうですが、風邪には段階があります。

 

 

軽いものから段々と症状が重たくなっていくように、今どの段階にいるかを見極めて使うツボを変えたり、漢方医は漢方を処方したりします。

 

 

 

風邪は表証から。

風邪の引き始めの症状として、次のものが挙げられます。

 

 

 

  • ・発熱。
  • ・悪寒。
  • ・筋肉痛、関節痛。

 

 

 

これを東洋医学では表熱証といいます。

 

 

風邪の邪が皮膚で留まっていて、体の中まではいっていない状態です。

 

 

皮膚から悪いものをとる施術を行えば風邪が良くなるので、この時期の風邪には鍼で汗をかかせる治療を行います。

 

 

 

症状が進むと。

表の皮膚にあった邪が体の中に入ってきた状態を裏熱症と言います。

 

 

この時期に入ると、胃腸の問題が出てきます。

 

 

便秘やお腹が張ったような感じを訴えるようになります。

 

 

勿論熱の症状もあるので熱を引かせたいのですが、この時間違えてはいけないのが実証なのか虚証なのかを見極める事です。

 

 

 

実証の場合:

実証の場合は体力があり刺激量を増やしても大丈夫な事が多いので、便通が良くなるようなツボに刺激をいれ下す事で体調を回復させます。

 

 

 

虚証の場合:

虚証は体力がないので、お腹を下させて体調を良くする事が出来ません。

 

 

なので、お腹に刺激が入らないように鍼施術をして熱を引かせます。

 

 

 

更に症状が進むと。

次の症状を訴えるようになります。

 

 

 

  • ・のど、胸が詰まった感じ。
  • ・不安感。
  • ・呼吸が浅く、回数が多い。
  • ・食欲がなくなる。
  • ・悪心、嘔吐。
  • ・眩暈。

 

 

 

この状態は、風邪の悪いものが体の更に中にはいる一歩手前の状態。

 

 

ここまでは陽症といいまだ風邪をこじらせてはいない状態ですが、これよりも症状がひどくなってくると陰証になると簡単には治らなくなります。

 

 

 

こじらせた風邪の症状。

  • ・お腹が張って食事が食べられない。
  • ・吐き気と下痢の症状が強くお腹も痛い。
  • ・立つものだるく横になって寝ていたい。

 

 

このような症状がでてくると陰証をいい、裏寒虚症、半外半裏の寒証など更に細かくステージを分ける事が出来ます。

 

 

いずれにせよ、風邪の病が体の奥深くを蝕んでいる状態と考えられ、この時期に入ってくると、1回や2回の施術で症状を回復させるのは難しいと考えるのが一般的です。

 

 

このように鍼灸施術では、風邪をステージに分けてそれぞれのステージに合わせたオーダーメードの施術が可能です。

 

 

当院では美容鍼を目的で通院させている患者さんにも、少し風邪っぽい時などは風邪の施術を合わせて行っていく事が多いです。

 

 

 

風邪の時に鍼を勧めるわけ。

 

東洋医学では、風邪に対する独自の考え方があり、治療法も確立されています。

 

 

現代では風邪を引いたら風邪薬と考えるのが一般的ですが、前述したように東洋医学でも十分に施術可能です。

 

 

風邪を引いたからわざわざ鍼を受けに行く方は少ないと思いますが、現在鍼を受けている方は、鍼灸師さんに風邪の鍼が出来るか聞いてみるといいかと思います。

 

 

 

まとめ

 

風邪の時に鍼をうけてもいいのか?

 

 

答えはイエスです。

 

 

ただ、こじらせてしまっている風邪は命の危険性もあるのでしっかり病院にいかれた方が良いでしょう。

 

 

引き始めの風邪でしたら、鍼施術や漢方が効果を発揮します。

 

 

肩こりや腰痛などで鍼に通われている場合、風邪を引くと使うツボが違くなりますので鍼灸師さんにしっかりその旨を使えてあげて下さい。

 

 

肩こりも風邪を良くなってラッキー

なんて事もあるかも知れませんよ。

 

 

風邪の時鍼を受けて良いかどうか迷ったら、参考にしてみて下さい。

 

 

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