鍼灸を受ける際に気を付けて欲しい事。
それは風邪を引いているかどうか。
風邪を引いている時こそ、鍼を受けて頂きたいと思います。
鍼灸というと、肩こりなどの凝りに対してしか効果がないと思われがちです。
実は、鍼は風邪を初めとした様々な疾患に効果を発揮するのです。
今回は、なぜ風邪の時に鍼を受けて頂きたいかを、ご紹介していきます。
東洋医学はなかなか奥が深いですよ。
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東洋医学では、病の原因を内因(ないいん)・外因(がいいん)・不内外因(ふないがいいん)の3つに分けて考えています。
内因とは感情を司る喜・怒・憂・思・悲・恐・驚や精神的過労など、体の中からくる原因の事をいいます。
仕事でうまくいかなかったり、恋人と喧嘩したりは勿論の事。
過剰に悲しんだり、怒ったりすると体へのストレスになり、免疫力が落ちるのです。
珍しいところだと、1億円の宝くじが当たるなどうれしい出来事も、体をおかしくする原因だと考えています。
外因とは風・寒・暑・湿・燥・火など外の環境の変化及びに、体を動かし過ぎての疲労などが原因となり、体調をおかしくするものだと考えられています。
受験が始まる冬にインフルエンザや風邪が流行りますし、季節の変わり目には体調を崩しやすいです。
このような外からの影響を外因(がいいん)といいます。
不摂生な生活や不慮の事故、食あたりなど、感情や外的環境に属さないものになります。
これらも体調を崩す原因となるものです。
外因である寒や風の悪いものを東洋医学では、邪(じゃ)といいます。
この寒邪や燥邪が皮膚や毛穴、汗腺などの体の穴から入る。
また、経絡と呼ばれるツボで繋がれた道路にはいり、この経絡という道路が臓腑や骨に続いていてその内まで入ってくる。
この時に肺が邪に犯されると、風邪を引くといった具合です。
そして、ここがポイント。
外因である邪が体に悪さを起こそうとしても、内因(過度な感情)によって体が弱っていなければ病は起こらないのです。
病は気からではないですが昔の医者は、感情が傷ついていると人は体を壊すという事を知っていたのですね。
西洋医学でもそうですが、風邪には段階があります。
軽いものから段々と症状が重たくなっていくように、今どの段階にいるかを見極めて使うツボを変えたり、漢方医は漢方を処方したりします。
風邪の引き始めの症状として、次のものが挙げられます。
これを東洋医学では表熱証といいます。
風邪の邪が皮膚で留まっていて、体の中まではいっていない状態です。
皮膚から悪いものをとる施術を行えば風邪が良くなるので、この時期の風邪には鍼で汗をかかせる治療を行います。
表の皮膚にあった邪が体の中に入ってきた状態を裏熱症と言います。
この時期に入ると、胃腸の問題が出てきます。
便秘やお腹が張ったような感じを訴えるようになります。
勿論熱の症状もあるので熱を引かせたいのですが、この時間違えてはいけないのが実証なのか虚証なのかを見極める事です。
実証の場合は体力があり刺激量を増やしても大丈夫な事が多いので、便通が良くなるようなツボに刺激をいれ下す事で体調を回復させます。
虚証は体力がないので、お腹を下させて体調を良くする事が出来ません。
なので、お腹に刺激が入らないように鍼施術をして熱を引かせます。
次の症状を訴えるようになります。
この状態は、風邪の悪いものが体の更に中にはいる一歩手前の状態。
ここまでは陽症といいまだ風邪をこじらせてはいない状態ですが、これよりも症状がひどくなってくると陰証になると簡単には治らなくなります。
このような症状がでてくると陰証をいい、裏寒虚症、半外半裏の寒証など更に細かくステージを分ける事が出来ます。
いずれにせよ、風邪の病が体の奥深くを蝕んでいる状態と考えられ、この時期に入ってくると、1回や2回の施術で症状を回復させるのは難しいと考えるのが一般的です。
このように鍼灸施術では、風邪をステージに分けてそれぞれのステージに合わせたオーダーメードの施術が可能です。
当院では美容鍼を目的で通院させている患者さんにも、少し風邪っぽい時などは風邪の施術を合わせて行っていく事が多いです。
東洋医学では、風邪に対する独自の考え方があり、治療法も確立されています。
現代では風邪を引いたら風邪薬と考えるのが一般的ですが、前述したように東洋医学でも十分に施術可能です。
風邪を引いたからわざわざ鍼を受けに行く方は少ないと思いますが、現在鍼を受けている方は、鍼灸師さんに風邪の鍼が出来るか聞いてみるといいかと思います。
風邪の時に鍼をうけてもいいのか?
答えはイエスです。
ただ、こじらせてしまっている風邪は命の危険性もあるのでしっかり病院にいかれた方が良いでしょう。
引き始めの風邪でしたら、鍼施術や漢方が効果を発揮します。
肩こりや腰痛などで鍼に通われている場合、風邪を引くと使うツボが違くなりますので鍼灸師さんにしっかりその旨を使えてあげて下さい。
肩こりも風邪を良くなってラッキー!
なんて事もあるかも知れませんよ。
風邪の時鍼を受けて良いかどうか迷ったら、参考にしてみて下さい。
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