現在、パソコンやスマホなど生活に画面を見ない日はないと思います。
人によっては1日中パソコンに向かって作業をするという人も少なくありません。
仕事でパソコンとにらめっこという方には職業病ともいえますが、ちょっとした工夫で負担の軽減や予防が出来ます。
今回はドライアイについて、西洋医学と東洋医学の考え方、そしてドライアイに効くツボについてお話していきたいと思います。
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ドライアイの話の前に、眼と涙の関係についてお話していきます。
まぶたの中にある眼球のうち、眼の黒目の部分を角膜、白目の部分を強膜といいます。
白目が赤くなると結膜炎って言われるから、白目は結膜じゃないの?って思われた人もいると思います。
実は白目の表面には薄い透明な膜があり、これが結膜です。
結膜は、角膜の周りから裏まぶたまで広がっており、眼球と眼のくぼみ(眼窩といいます)の間に異物が入らないようになっています。
涙は、上から油層・水層・ムチン層の3つの層になっています。
油層は涙の蒸発を抑え、水層は角膜の表面に潤いを与えます。
ムチン層はムチンという粘り気のある成分で水分を角膜で留める役割があります。
涙は、上まぶたの目尻側にある涙腺で作られます。
これがまばたきの際にポンプのように送られ、目の表面を覆ってくれます。
その後、目頭にある鼻涙管(びるいかん)によって90%排出され、10%は蒸発します。
また黒目の部分である角膜には、血管がありません。
そのため、涙と眼球内の房水(ぼうすい)という水分が酸素と栄養分を角膜に運んでいます。
その他に涙は、ほこりや細菌がついても洗い流す役割があります。
さてここまで、眼の構造についてお話してきました。
ここからいよいよドライアイについて説明していきます。
ドライアイとは、様々な原因で眼球の表面が乾燥し、黒目の部分である角膜が傷ついて不快感を起こします。
症状は、目の乾き感、目が疲れやすい、かすみ、ごろごろする感じなど様々です。
ドライアイは、さらに以下の3つに分けられます。
1つずつお話していきます。
ドライアイと聞くと、涙の量が少なくなったと思われがちです。
しかし実際は、乾きやすくなっている状態の方が多く8割を占めます。
その理由としては、涙の3つの層のうち、油層が十分に分泌されず蒸発しやすくなっています。
これを蒸散亢進型ドライアイといいます。
蒸散亢進型ドライアイが多くなっている理由として以下のことが挙げられます。
「エアコン」「パソコン」「コンタクトレンズ」のコンの部分を取って、ドライアイの原因の「三コン」と呼ばれています。
また最近では女性がオシャレのため、アイプチで無理に二重を作ることで、十分にまばたきが出来なくなって起こることもあります。
目は乾燥したりゴミが入ると、反射的に涙が出てきて洗い流してくれます。
しかし刺激されてから涙が分泌されるまでのどこかに異常があると、涙が分泌されにくくなります。
この分泌されにくい状態を涙液減少型ドライアイといいます。
このドライアイは、シェーグレン症候群という膠原病とそれ以外の2つに分けられています。
シェーグレン症候群とは、涙腺などが破壊される難病指定の疾患です。
それ以外のものは、加齢や不規則な生活やストレス、糖尿病など様々です。
眼はまばたきをすると、10秒以上は涙で潤っています。
しかし5秒以内に乾燥してしまうことがあります。
これが最近判明したBUT短縮型ドライアイというものです。
原因は涙の成分のムチンの働きが弱くなったからだと言われています。
パソコンする人やコンタクトレンズを着けている人を中心に増えてきています。
基本的には目薬で眼を潤す対症療法が主流です。
目薬にも種類があり、人工涙液や水分保湿効果のあるヒアルロン酸、BUT短縮型にはムチン分泌を促進する物もあります。
重症なドライアイでは、角膜の栄養不足を補うため、自分の血液から作る目薬を使う事もあります。
目薬以外の治療は、涙点プラグという鼻涙管に続く通り道を塞ぐという処置もあります。
また蒸散亢進型によるものは、先ほど挙げた三コンに対し、以下の対策をするもの効果的です。
などをすることで症状を和らげることもできます。
ここからは東洋医学でのドライアイについてお話していきます。
東洋医学で、目の乾きやかすみを訴えるものには、肝陰虚(かんいんきょ)証と肝血虚(かんけっきょ)証があります。
どちらにも五臓六腑の「肝」がという字が入っています。
この肝というものは目と関係が強いとされています。
東洋医学では、目は血のおかげで視力が出て、涙により潤わされていると考えます。
この血を蓄えて必要な時に配る役割をするのが肝です。
なので、蓄えている血が少なくなることで目がかすんできます。
これを肝血虚証とよびます。
さらに過労や不眠などが重なると、進行してしまい身体が乾いた状態を表す肝陰虚(かんいんきょ)証になります。
この状態になると、目が乾きやすくなるなどのドライアイの症状が現れます。
この時には陰液を補う治療を行い、これを滋陰といいます。
ちなみに肝陰虚証に使われる漢方薬では「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」がありますが、保険適応外になります。
これには六味丸(ろくみがん)という陰虚に使う漢方に、目に良いとされるクコの実と菊の花が入っています。
それではドライアイに効く眼のツボについてお話していきます。
先程挙げた滋陰のツボも良いのですが、今回はより即効性のあるツボを紹介します。
やはり目に効くツボは、目の周りに多いです。
沢山ありますが、今回はこの4つを紹介していきます。
睛明は、肝の精血が集まるところといわれ、写真のように目が疲れた時に自然と手がいきます。
解剖学的にも鼻涙管の入り口があるので、圧迫することで涙の排出を一時的に食い止めて、目を潤す事が出来ます。
攅竹は眉頭の内側にあります。
ここは目の開け閉めに関わる筋肉があるので、まぶたが痙攣のようにぴくぴくと動く時にもよいとされています。
魚腰は、眉毛の真ん中にあります。
ここには眼に関係する血管や神経が通り道があるので、ほぐしてあげることですっきりします。
太陽は、眉尻と目尻の間で、指1本分後ろのこめかみにあり、押すと目の奥にズーンとした感じがしてきます。
経絡という気血の通り道の上にはないツボですが、目の症状には効くと有名なツボです。
これらのツボをゆっくり押してみて下さい。
コツはツボに指を当てたら、3秒かけて圧をかけていき、3秒間同じ圧で止めて、3秒かけて圧を抜いていくようにしてください。
ドライアイは、涙の量が減ってしまうというより乾きやすい状態になっている人が多くなっています。
その原因は、パソコン作業やコンタクトレンズなどによって引き起こされ、治療は対症療法が中心となっています。
まばたきの回数や加湿、眼鏡の使用などで生活習慣を心がけるだけでも対策ができ、また目薬やツボ押しなどで不快感や症状を和らげることができます。
不快感や症状が出てくる前に意識して、対策法を行ってみると辛くなる前にケアが出来ておススメです。
ドライアイでお悩みの方は、参考にしてみてください。
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