梅雨が明けると、本格的に暑い夏がやってきます。
そうなると美味しくなってくるのが、ビールです。
仕事帰りに枝豆をつまみに1杯・・・最高ですよね。
しかし、飲み過ぎてしまうと次のアノ辛い症状がやってきます。
そう二日酔いです。
夏に限らず、楽しい飲み会では、ついついお酒も進みがちです。
そんな時、次の日の二日酔いを少しでも軽くできるようなお話をしていきたいと思います。
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まずお酒を飲むとなぜ酔うのか?
お酒を飲むと体がどうなっているのかについて、お話ししていきます。
実はアルコール自体は、毒ではありません。
ですが、脳の中枢を麻痺(まひ)させて『酔い』を引き起こします。
更に、アルコールが分解される途中で発生する『アルデヒド』という物質が肝臓を傷つけ体にダメージを与えるのです。
詳しく説明していきます。
お酒を飲んだ時のアルコールは、体の外に出さなければなりません。
まず、お酒に含まれるアルコールは、胃と小腸で吸収されます。
吸収されたアルコールは、胃と小腸の血管を通り、肝臓に運ばれ分解されます。
肝臓での分解には2つの工程があります。
この過程を経て、汗や尿で体の外へ排出(はいしゅつ)されます。
体に入ったアルコールは、脳に影響を与え、『酔い』を引き起こします。
アルコールを分解する際にでる『アセトアルデヒド』は毒性が強く、頭痛や吐き気、倦怠感などを引き起こします。
このように、肝臓に悪く働きます。
まとめると、酔いとはアルコールの脳への影響と、アセトアルデヒドの肝臓への影響が原因です。
なので、いかにアルコールとアセトアルデヒドを速やかに分解することが、二日酔いの予防やケアになります。
アルコールとアセトアルデヒドは、酵素によって分解されます。
アルコールを分解する酵素はADHとMEOS 、アセトアルデヒドを分解する酵素はALDH1、ALDH2があります。
アルコールを分解するMEOSは鍛えることができます。
「飲むと強くなる」と言われるのは、MEOSが鍛えられたためと言えます。
またALDH1はアセトアルデヒドが沢山ある時に、ALDH2は少ない時に働きます。
お酒が弱い人はALDH2が少ないか存在しないため、アセトアルデヒドが体に溜まりやすく、酔いやすい体質となります。
ここからは東洋医学での考え方を説明していきます。
西洋医学では、お酒を分解させる臓器は『肝臓』と説明しました。
その一方で東洋医学において、お酒を分解するには、『脾』や『胃』が関係しています。
なぜ、このような違いが出てくるのかというと、西洋医学と東洋医学では病気に対する考え方が違うからです。
東洋医学では、脾は消化や代謝の役割を担っています。
飲んだ水分を身体の潤いである『津液(しんえき)』に作り変えてくれます。
しかしたくさん飲むと、脾の働きが悪くなって余分な水分が溜まっていきます。
余分な水分を湿とよび、むくみや重ダルさが出てきます。
消化や代謝に疲れた脾の不調は、胃にも影響を与えます。
胃は食べた物を受け取り消化して、小腸に降ろす役割があります。
しかし不調になると、食べたものを小腸に降ろせません。
それにより、消化不良を起こし吐いてしまいます。
また東洋医学では、お酒は湿熱(しつねつ)になるといいます。
湿熱とは、湿気と熱気を含んだ水分の事を表します。
つまりお酒を飲むと、体の中で湿気と熱気に分かれるということです。
湿気は、余分な水分として溜まっていきます。
熱気は、温かい空気なので上に昇る性質があります。
身体の中の熱が上に昇っていくと、頭や顔に溜まります。
それにより頭痛や赤ら顔になります。
こころからは二日酔いの対処法についてお話ししていきます。
飲み会の前には、二日酔いや悪酔いを予防するため色々飲まれる方もいるでしょう。
ウコンや肝臓水解物(ヘパリーゼ)などがありますが、そういったものでなくても、飲んでいる間にお水を飲んで頂くだけでも十分効果的です。
先程、アルコールやアセトアルデヒドが原因というお話をさせて頂きました。
アルコールは分解するのに水分を使い、さらにアルコール自身に利尿作用があります。
またアセトアルデヒドは吐き気を起こさせます。
つまり酔っている間は、常に水が必要で、脱水になりやすい状態なっています。
脱水状態になると、二日酔いに拍車をかけます。
脱水予防のために、飲んでいる合間に水分摂取も重要です。
また吐いてしまったイオンバランスを補うために、スポーツドリンクを飲むのも効果的です。
ちなみに昔から言われてきた「迎い酒」はあまりよいものではなく、逆効果なのでおススメできません。
東洋医学ではどう対応するのでしょうか。
東洋医学では「医食同源(いしょくどうげん)」という言葉があります。
薬も食事も口に入るものとして、元々同じものだという「薬膳料理」の考え方です。
今でいう「食育」に似ていますね。
お酒のおつまみに出るキュウリなどの瓜類や枝豆は湿熱を取る働きがあり、実は二日酔いには効果がある理にかなった食材です。
おつまみで予防してもついつい飲みすぎてしまうことはあります。
そんなときには、漢方薬やツボで対応できます。
基本的には体質に合わせて処方しますが、二日酔いに有効な漢方薬として3つ挙げます。
東洋医学で二日酔いに関係するのがお酒による「湿気」と「熱気」、消化と代謝に関係する「脾臓と胃」でした。
これらの漢方薬はそれらに効いてくれます。
五苓散は、水分を代謝させて余分な湿気を取り除く漢方薬です。
二日酔いで喉が渇き、むくみや下痢するタイプの人に有効です。
飲んでいてほてったり、すぐ顔が赤くなるタイプの人には黄連解毒湯を用います。
熱を取る漢方薬でのぼせやすい人に使われます。
また二日酔いの時、お腹が張ったり、みぞおちがつかえ、食欲がないときなどお腹に来る人は半夏瀉心湯が効きます。
そして、ツボによる予防・対処法もあります。
有効なツボとして内関、豊隆、陰陵泉、中脘 足三里、などがあります。
内関は胃の気の流れを下に降ろすツボです。
吐き気止めとして有名です。
豊隆、陰陵泉は脾や胃の経絡にあるツボです。
水分代謝を促すとされています。
お腹の症状がある時は、中脘、足三里が有効です。
二日酔いは、アルコールとアセトアルデヒドによって起こります。
アルコールに強い弱いは体質によるもので、飲んで強くなることもありますが、無理をせずに対策を立てる方が有効です。
漢方薬やツボなどの対策はもちろん、飲んでいる時もおつまみや水分摂取、飲むペースなど気を付けることが大切です。
どうしても飲まなきゃいけない時は、是非参考にしてください。
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