そろそろ夏も本番になってきました。
今年の夏は、大変暑く異常気象と言われているくらいです。
しかし海外では日本より暑い国もありますが、日本よりも過ごしやすいとそうです。
これは日本が島国なので周りが海に囲まれており、夏は特に湿気が多いためです。
暑い上に湿気が多いと特に困るのが汗です。
特に女性では顔に汗をかくと、化粧崩れを起こして大変です。
清潔感を保つためにも、顔汗は避けていきたいですよね。
今回は汗っかきでお困りの方に、どうすれば顔汗を抑えられるのか、効果的な方法についてお話していきます。
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まずなぜ汗をかくのかについてお話していきます。
汗には、温熱性発汗と精神性発汗、味覚性発汗の3種類あり、それぞれ汗が出る理由が違います。
気温や運動、風邪による発熱により体温が上がったため、体温を下げるために汗が出ます。
汗は蒸発する時に、熱を吸収して蒸発するため、体温が下がります。
この蒸発する際に吸収する熱を気化熱といいます。
全身に分布する汗腺から出て、成分は99%水なので、臭いはあまりしません。
この全身に分布する体温調整のための汗腺をエクリン腺といいます。
緊張や興奮した時に手のひらや足の裏、ワキなどから出る汗です。
動物が生命の危険を感じ、逃げやすくるため、手足を湿らせていた名残と考えられています。
たんぱく質や脂質を含むため、臭いがします。
この精神性発汗による汗は、手のひらや足の裏に特定の汗腺が分布しています。
この汗腺をアポクリン汗腺といいます。
辛い物を食べた時に出る汗で、味覚の刺激による反射によって起こります。
ここからは今回のテーマである「顔汗(かおあせ)」についてお話していきます。
汗にまつわる症状では「多汗症(たかんしょう)」というものがあります。
読んで字の如く、汗が多い症状ですが、これには「全身性」と「局所性」があり、顔汗は「局所性多汗症」になります。
先ほど挙げた精神性発汗によるもので、交感神経が過敏になったためと考えられています。
そのため更年期障害やホルモンの乱れなど、自律神経のバランスが崩れることで引き起こされます。
東洋医学では、人が生きていく上で身体に必要な物質として、気・血・津液(しんえき)があります。
気は、身体が生きていく上でのエネルギー源を指し、代謝や免疫など様々な役割があります。
血は、身体の五臓六腑や器官に栄養を与える赤い液体を指します。
津液は、血を除いた全身にある液体を指し、あらゆるところに潤いを与えています。
汗はこの津液の1つです。
汗の出入りの調整はいくつかある気の作用のうち、固摂作用(こせつさよう)によるものです。
これは汗などの体から出てくる体液が、漏れないように留める作用のことです。
しかし、暑気(しょき)という暑さの気は、昇散(しょうさん)という作用があり汗腺の開け、汗を出させます。
そして汗とかかわりのある臓器として、心や肺が挙げられます。
汗は「心の液」と言われ、汗は心の状態を反映していると言われています。
なので、心の気が不足する事で、汗が漏れ出てやすくなります。
また肺は汗腺を含む皮膚と関りがあり、汗腺の開け閉めも担当しています。
東洋医学での汗について説明しました。
今度は顔に出る汗について説明していきます。
これには陽気と暑邪(しょじゃ)が関係してきます。
陽気とは、気の中でも身体の中の熱分を指し、上に昇っていくという性質があります。
暑邪は、暑気が強くなり体に悪影響を与える外気のことを指します。
そのため、顔は熱分である陽気が溜まりやすく、のぼせやすくなっています。
なんらかの原因で、気が顔で渋滞した状態で、暑邪にの影響を受けると、顔の汗腺を開きます。
そして、顔から汗が出てきます。
いよいよ顔汗を鍼灸治療でどう治していくかについてお話していきます。
今回は、鍼灸治療を西洋医学のアプローチと東洋医学的なアプローチで考えていきます。
顔汗は交感神経が過敏になったためと考えられてるとお話しました。
そのため、交感神経を含む自律神経のバランスを調えることで、顔汗の軽減を図っていきます。
自律神経を調えるツボ
これらのツボで、自律神経の調整する治療を行っていきます。
先程、なんらかの原因で気が顔で渋滞するとした状態として、以下のことが挙げられます。
・肝鬱化火(かんうつかか)
・湿熱鬱蒸(しつねつうつじょう)
・陰虚火旺(いんきょかおう)
まずタイプ別の治療を行う前に、熱を取るのに重要なツボとして、大椎(だいつい)を用います。
ここは、身体の熱が集まる場所なので、熱を取る治療には最適です。
そして汗と関連が強い心の安定を図るために、百会と四神聡(ししんそう)を用います。
そして、ここからタイプ別の治療を行っていきます。
肝鬱化火は、ストレスやイライラで滞った気が熱気に変わってしまった状態です。
気の停滞が原因であるので、合谷や太衝などの気を巡らせるツボを使います。
また気の流れを司る肝に関りがあり、火に関係あるツボの行間(こうかん)も使います。
湿熱鬱蒸は気ではなく、湿気によって気の流れが滞った状態です。
この場合は、湿気と熱気をとってくれる豊隆(ほうりゅう)と内庭(ないてい)を使います。
陰虚火旺は、身体を冷やす成分が少なくなり、火が発生して顔で滞った状態です。
身体を冷やす成分を補う照海(しょうかい)や太渓(たいけい)を使います。
顔汗は、西洋医学でも東洋医学でも、ストレスなどの精神的な刺激がベースにあります。
夏の暑さやホルモンバランスの崩れなどいろんな要因が加わって起こるので、暑くなる前の対処を行い、そこからタイプ別の治療をすると効果的です。
顔汗でお困りの方の事前のケアの参考になれば、幸いです。
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