良い姿勢になりたいと、日々背中を伸ばして頑張っている皆さま。
どの程度、その良い姿勢を続けていられますか?
普段からトレーニングを積んで筋肉隆々の方であっても、1日中良い姿勢を保っていると疲れるはずです。
その理由の1つに、無理に猫背を治しているという事が挙げられます。
姿勢が悪い方に、「良い姿勢をとって下さい」とお願いすると、大抵の方が胸を張り、腰を過度に反らせる姿勢をとります。
猫背を治す為にこのような姿勢を長時間保つには、ある事が重要になってきます。
そのある事とは
胸鎖乳突筋、斜角筋及び、僧帽筋上部の脱力
です。
僧帽筋上部
胸鎖乳突筋・斜角筋
日常的にこの3つの筋肉には、力がはいりやすいです。
なので、力を抜こうとしても、なかなか上手に力を抜けないという方が大勢いらっしゃるのです。
そして、猫背を治す為には上記の3つの筋肉が脱力した上で、次の2つに筋肉に力が入る必要があります。
その筋肉が、僧帽筋下部と菱形筋です。
僧帽筋下部
菱形筋
この2つの筋肉を優位的に使う事で、背骨や肩甲骨の動きが良くなり猫背が治っていくのです。
また、僧帽筋上部・胸鎖乳突筋・斜角筋に力が入ったまま、僧帽筋下部や菱形筋に力が入ってしまうと、呼吸が浅くなる傾向も強いです。
呼吸が浅くなると疲れやすくなります。
そして、呼吸が浅くなった状態で筋肉を使うと、さらに疲れます。
普段使わない筋肉であれば、尚更疲れます。
なので、呼吸が浅くなり慣れない筋肉に常時力をいれていると、なにもしなくとも疲れてくるのです。
では、良い姿勢を長時間続ける事は不可能なのかというと、そうでもありません。
僧帽筋上部や斜角筋の脱力が上手に出来れば、意識して背中を伸ばさずとも良い姿勢になるので疲れなくなります。
そこで今回は、良い姿勢でいても疲れづらくなる為の方法を、ご紹介していきます。
良い姿勢を長期間続ける事が出来ない方は、参考にしてみて下さい。
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今回は、この3つに対してアプローチしていきたいと思います。
まず、なぜ背骨の柔軟性が必要なのかという事からお伝えしていきたいと思います。
背骨が固くなると背筋が動きづらくなり、猫背になります。
猫背というと背中が丸くなるイメージがあります。
なので、背中を伸ばそうと姿勢を正した場合、背骨ではこのような動きが出ます。
この、上の骨が下の骨に対してスライドする動き。
この動きが悪くなると、どうなるのでしょうか?
このように、背中部分の働きが悪くなり、猫背が悪化しやすくなってしまいます。
なので、背骨の柔軟性は大事なのです。
そして、背骨の動きを改善させる際にもう1つ重要な事があります。
それが、胸郭・肋骨を柔らかくする事です。
では続いて、胸郭・肋骨を柔らかくする意味について考えていきます。
胸郭とはいわゆる、胴体部分の事をさします。
これらの組織で囲まれた部分を、胸郭と呼びます。
胸郭の主な働きは、次の2つです。
・内臓の回りを骨で囲む事で、外からの衝撃から内臓を守る。
・ドーム状の空間を横隔膜で引き伸ばす事により、肺を膨らませ呼吸を行う。
その他の働きとして、良い姿勢を保つ為にも必要な部分でもあります。
深呼吸を行う際に、肋骨1つ1つの隙間が広がり、そして閉じます。
しかし、この動きが悪くなる状態があります。
それは、緊張した時です。
緊張すると肋骨の間にある筋肉が固くなり、肋骨が動かなくなります。
空気を深く吸えなくなってしまう為に、息苦しくなってしまうのです。
そして、その息苦しさを拭う為。
肋骨の代わりに過剰に動く部分があります。
それが肩です。
スポーツや走ったりすると肩が細かく上下するようになりますが、あの状態になるのです。
すると、首や肩に緊張がとれなくなり、先ほどの僧帽筋上部や胸鎖乳突筋の脱力が行えなくなります。
結果、常時肩を上げる筋肉が活性化され、猫背が治らなくなります。
因みに、肩凝りでお悩みの患者さんの施術の際、当院ではマッサージなどのほぐしをあまり行いません。
筋肉の緊張をとり柔らかくする事は大事なのですが、効果が持続しない事が多い為です。
胸郭や肋骨の動きが固くなった結果、首肩の緊張が出ている方の場合。
肋骨の矯正を行い呼吸が深くなるようにする施術だけで、筋肉の緊張がほぐれて肩のコリが柔らかくなる方が多いです。
これは、肋骨の動きを滑らかにする事によって呼吸が深くなり、首や肩の緊張が緩和し筋肉にストレッチがかかる事もそうなのですが、自律神経のバランスがとれ血流や緊張がとれる為と考えています。
このように、肋骨を柔らかくする事は、猫背を治す事にも繋がりますし、肩凝りを緩和する為にも良い手段の1つなのです。
最後に、僧帽筋下部や菱形筋を鍛える意味について考えていきましょう。
これらの筋肉は、主に肩甲骨についています。
そして、肩甲骨を背骨に近づける作用があります。
猫背や巻き肩改善には必要不可欠な筋肉なのですが、ここで注意点があります。
背骨の柔軟性を出す前に、これらの筋肉を鍛え過ぎないようにして下さい。
背骨の柔軟性がある状態で鍛える事によって、猫背が改善できるのです。
ですが、柔軟性が得られないまま鍛えてしまうと、背中が盛り上がった姿勢になる可能性が高いです。
猫背を治そうとして反対に、猫背になってしまうのです。
これでは本末転倒です。
背骨の柔軟性を出し、かつ僧帽筋下部の筋肉をつける事で、強くて且つ柔らかい猫背改善筋を得る事が出来るのです。
そしてまた、猫背を治す際には筋肉を鍛えるというイメージよりも、筋肉を動かすというイメージを強くもった方が良いでしょう。
姿勢を治す際に筋肉は強く固いよりも、柔らかく良く動く筋肉のほうが、都合の良い場合が多いです。
例えば、肩甲骨を上げる僧帽筋上部は、肩甲骨を下げる僧帽筋下部の脱力と入力を交互に行えるようになると、筋肉が柔らかくなり猫背が良くなります。
しかし、正しい姿勢を保とうと力をいれ、まっすぐを意識した場合。
僧帽筋の上部と下部に同時に力が入ってしまい、脱力が出来ずに疲れてしまうのです。
この状態を強縮(きょうちょく)と言います。
筋肉隆々なマッスルボディーを目指しているのであれば、この動きの悪くはありません。
しかし、普段運動習慣がないのであれば、避けたほうが良い筋肉の使い方になります。
反復になりますが、肩の力は抜いて背中に力が入る。
この状態を目指し、姿勢を治していきましょう。
では最後に、良い姿勢でいても疲れなくなる為の体操法をご紹介していきます。
今回は次のポイントを意識しながら、姿勢を正す体操をご紹介していきます。
まずは、背骨の柔軟性を出す体操法から行ってみましょう。
仕事が終わり、家に帰ってクタクタ。
さぁ、体操を行おうか、、。
最初は続くのですが、眠さや疲労が優先され、後々体操が行えなくなってしまう事も出てくるでしょう。
どんな体操にも当てはまる事なのですが、継続してこそはじめて効果が出てきます。
家に帰ってからでは、なかなか行えない方は、仕事中に体操を行ってしまいましょう。
仕事中にでも出来る簡単な背骨ほぐしをご紹介いたします。
【やり方】
1.椅子に腰掛け、胸に膝頭がくっつくように片方の膝を抱え込む。
2.抱え込んだ膝を胸から離すように動かす。
3.肘が適度に伸び、背中が丸まり筋肉が伸ばされる位置で姿勢を保つ。
4.再度、膝を抱え込む。
この際に背中が真っ直ぐになるように意識する。
5.一連の動作を深呼吸を行いながら、左右3回3セット行う。
当院では小顔効果や整顔効果が期待できるお顔の矯正の他にも、猫背矯正や巻き肩矯正。
O脚矯正など様々な骨格矯正メニューがありますが、そのほとんどに共通して行っている矯正術があります。
それが肋骨矯正です。
肋骨の動きを整えて、胴体の歪みを良くする矯正術なのですが、骨格矯正の基本とも言える矯正術になります。
なぜなら、呼吸と姿勢の矯正を同時に達成する事が出来るからです。
患者さんから受ける質問の中で、
「なぜ体が歪んでしまうのですか?」
というものがあります。
そんな時の回答として、以下のように答える事が多いです。
「
人間は左右で対照に作られているように見えますが、実は左右で非対称な事が多いです。
例えば、心臓は若干左側に寄っていますし、肝臓は右にしかありません。
顔も左右均等な人は少ないです。
そして、最も歪みが生じやすい部分が肋骨になります。
これは、呼吸の際に、肋骨が動く事に理由があります。
肋骨は横隔膜という筋肉と共同に動いて呼吸を行います。
しかし、日常生活では体がどちらかに傾くような姿勢を強要される事が多々あります。
電車で立っている際には左右どちらかの足に体重を載せている事が多いですし、片方の肩にカバンを持って歩く事も体が傾く要因の1つになります。
このような動作1回1回の作用は体を歪めるほどではないのですが、年単位で行ってしまうと問題が生じてきます。
立ちやすい側、カバンを持ちやすい側という癖が生じてしまうのです。
すると、骨格はその歪みに合わせ曲がってきてしまいます。
この状態で歪みがとまるのなら、まだ正しい位置に戻しやすいです。
ですが、この状態を長く続けてしまうと骨格の歪みが進行して、呼吸を浅くしてしまうのです。
これは本来、呼吸筋として働くべき横隔膜が、歪んだ体、姿勢を保つ為の姿勢筋として働くように変化してしまう事が原因として挙げられます。
また、横隔膜はその形状上の問題で、左側の働きが弱くなる事が多いです。
すると、左側の肋骨が飛び出るように歪んできてしまうのです。
なので、そのような過程をたどり、体は歪んできてしまうのです。
」
このような事が理由となり、当院では歪みの進行具合にはよりますが、猫背も巻き肩の矯正もそして顔の歪みの矯正の時も、肋骨の矯正を行う事が多いのです。
それでは、前置きが長くなりましたが、肋骨を矯正する体操を行っていきましょう。
【やり方】
1.椅子に座り、右膝が左膝よりも前側になるように骨盤を動かす。
2.膝の間にクッションやタオルなどを挟む。
3.左手を右膝の上に置く。
3.左膝でタオルを押すように力を入れながら、深呼吸に合わせて左手で膝を押す。
4.一連動作を3回3セット行う。
最後に僧帽筋下部と菱形筋を鍛えて、猫背を正していきましょう。
これらの筋トレとしては、ベントオーバーローというトレーニングが有名です。
しかし、トレーニングというものは決まって正しいフォームというものが求められます。
特に特定の筋肉だけを鍛えたいと思ったら、パーソナルトレーナーからの運動指導が必要になってきます。
時間やお金に余裕がある方はそれでも良いかも知れませんが、良い姿勢を長時間維持する為には出来れば毎日運動して頂きたいのです。
なので、今回は特に意識すべきポイントをお伝えします。
重りを持たない事。
僧帽筋はその作用上、どうしても上側の筋肉がつきやすいです。
重りを持ってしまうと、重りを持ち上げる事に意識がまわってしまいます。
なので、僧帽筋下部を鍛えたつもりでも、僧帽筋上部を鍛えてしまっている方が多いのです。
筋肉隆々になりたいのであれば話は変わりますが、猫背を治したいだけであれば重りはなくとも、達成可能です。
ポイントは肩甲骨の動かし方です。
それではやってみましょう。
【やり方】
1.膝を肩幅に開き膝を軽く曲げる。
2.腰や背中が丸まらないように意識をして、上半身軽度前傾位をとる。
3.腰に両手を置く。
4.肩甲骨を下げるように意識しながら、背中側で両手を交差させるように動かす。
5.息が止まらないように注意しながら、一連の動作を15回3セット行う。
猫背になると、背中が丸まってきます。
特に、肩甲骨の間辺りが丸まってくる事が多いです。
この部分は、ゴムチューブを使うと上手に矯正出来ます。
こちらの体操を試してみてください。
また、こちらの体操で背骨周りの筋肉を柔らかくする体操も加えてみてください。
良い姿勢を長い間続けていると、疲れてしまう。
その原因は、肩や首の筋肉に力が入ったまま背筋を正す筋肉にも力を入れてしまっているからです。
大事な事は、肩甲骨よりも上の筋肉の脱力です。
肩甲骨を上げる力を10だとしたら、下げる力は10以上必要になってきます。
これでは、筋肉に必要以上に力が入り疲労し、長時間正しい姿勢を保つ事は難しいでしょう。
そうではなく、肩甲骨を上げる筋肉の力を5まで弱め、下げる力を6程度に抑える。
そうする事によって、少ない力で姿勢を良くする事が出来るのです。
その為に必要な事がこちら。
1つ1つはそれほど大変ではない体操ですが、大変な事が続ける事です。
その為に、今回は比較的に簡単に出来る方法をご紹介させて頂きました。
良い姿勢にはなりたいが、疲れてしまって良い姿勢を保てない方。
是非、今回の方法を実践してみて下さい。
姿勢の悪さで悩んでいる方の助けになれば幸いです。
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