人だけに限らず動物は、呼吸をしなければ生命活動を維持することはできない。
その呼吸は中枢、神経、骨、筋肉などによって私達が特に意識をしなくても自動的に行われているものである。
しかし、神経のバランスなどが崩れたりすると吸って吐くという呼吸のリズムも崩れる。
吸う、吐くどちらかばかりに偏ってしまってうまく吸えない、吐けないといった状態になる。
そんな現代ではストレスや不良姿勢などが原因で呼吸が浅いなど呼吸に関する悩みを抱えている人が多い。
では、呼吸の悩みを抱えている人はどのような呼吸をしているのか?
呼吸をする際に、骨や筋肉がどのように動いて呼吸をしているのかといった動きの面も見ながらご紹介していこうと思う。
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一般的な認識で呼吸は、息を吸うときに肺がふくらんで息を吐くときに肺がしぼむといった程度でしか学校などでは習わないが
実はその裏で筋肉が働いていたり、骨がごくごく小さな動きをして呼吸が成り立っている。
では、どのように呼吸が成り立っているか、まずは体の表面の部分から見ていこう。
呼吸時に拡がるのは肺もそうなのだが、まずその外側にある胸郭が拡がる。
胸郭とは、肋骨、胸骨、脊柱(胸椎)で構成されていて、肋骨と肋骨の間には外肋間筋、内肋間筋という筋肉が張られている。
外肋間筋が収縮すれば肋骨は引き上げられ、内肋間筋が収縮すれば肋骨は引き下げられる。
つまり、息を吸うときには外肋間筋が働き肋骨を引き上げ胸郭を拡げる。
逆に息を吐くときは内肋間筋が働いて胸郭を縮めるか?というと自然と息を吐くときは、息を吸うときに働いていた外肋間筋や横隔膜が弛緩するだけで、息を吐き胸郭を縮めることができる。
では、内肋間筋はどのタイミングで働いているのか?
内肋間筋は、思いっきりフーッと息を吐きだしたときに主に働いているのだ。
そのように外見からではわからないが息を吸う、吐く動作で働く筋肉も違い、主に呼吸をする際にはこれらの筋肉が主体となっている。
先にも述べたように、呼吸をする際に拡がるのは肋骨、胸骨、脊柱(胸椎)で構成された胸郭と呼ばれる骨である。
それが肋間筋や横隔膜によって持ち上げられたりした際に、胸骨と肋骨の関節や肋骨と胸椎の関節が動き胸郭を拡げている。
しかし、単に動くといってもどのように動いているのだろうか?
外見上は、胸郭が拡がるように動いていることしか確認できないが、皮膚や筋肉を除き骨だけの動きを見るととても微細な動きをしているのだ。
では、ここで呼吸時に骨はどのように動いているか?その説明をするにあたって特に重要になってくる関節を2つご紹介しよう。
1つ目は、肋骨頭(肋骨の付け根)と胸椎の椎体部分の関節である【肋骨頭関節】
2つ目は、肋骨結節(肋骨の付け根付近の出っ張り)と胸椎の横突肋骨窩と呼ばれる部分の関節である【肋横突関節】
呼吸時において特にこれらの関節が重要になってくる。
では、実際の呼吸の動きと共にこれらの関節がどのように動いているか?
また正常に動いている人と正常に動いていない人の動きの違いはどうか?など交えながらご説明しよう。
骨の動きを説明するには、息を吸うよりも吐くときの方が動きとしてわかりやすいため、ここでは息を吐いたときの微細な動きに注目しご説明する。
では、はじめに【肋骨頭関節】の動きから見ていこう。
【肋骨頭関節】は息を吐いた際に肋骨頭が胸椎の椎体部分に対して回転するように動いている。
肋骨というのは、胸椎の椎体と椎体の間についていて【肋骨頭関節】が回転する際は肋骨頭は上の椎体に対してお腹側へ下の椎体に対しては背中側へ回転する。
少しイメージしやすいように言うなら、息を吐いたときに【肋骨頭関節】は上の椎体に対して時計周りのように1~2時の方向(お腹側)へ動き
下の椎体に対しては7~8時の方向(背中側)へ動く。
では次に【肋横突関節】の動きを見ると、息を吐いたときの【肋横突関節】は肋骨結節が胸椎の横突肋骨窩に対して頭側(上方)へ動く。
逆に息を吸うときは肋骨結節は尾側(下方)へ動く。
骨だけの動きで見ると、息を吐いた際には【肋骨頭関節】【肋横突関節】はこのような微細な動きをしていることがわかる。
呼吸をする際、正常に動けばこれらの関節は上記のように動いているが、呼吸に関する悩みを抱えた人の関節の動きは正しく動いているのだろうか?
その点に注目し、正常に動かないことで起こる体の状態をご説明しよう。
冒頭でも述べたように呼吸の悩みを抱えている人は今とても多い。
そういった方の多くは、日常的に呼吸が浅いと言い、深い呼吸ができていないという自覚がある。
では、そういった方の呼吸時には先ほどの肋骨や関節はどう動いているのだろうか?
正常に動いていないから呼吸の浅さを感じているのであって、例えば【肋骨頭関節】がうまく回転していないといったことも考えられる。
また、呼吸が浅いと訴える人は常に肋骨が上がっている(外旋)ことが多く、本来は息を吸い込むときに肋骨は上に持ち上がる(外旋)のだが
肋骨が常に上がっていて、息を吸い込んでもそれ以上あまり持ち上がらず胸郭が拡がらないために呼吸が浅くなるのである。
そして、肋骨が上がっているということは、肩が上がって見えるといった見た目への影響まで考えられる。
では、そういった歪みのある肋骨はどのように治していけば良いのか?
歪んだ肋骨を治すには、本来の動きが出来るように促していく必要がある。
それはつまり、息を吐いたときの【肋骨頭関節】と【肋横突関節】の動き、そして肋骨自体の動き、これらを再び正しく動くように導く必要があるのだ。
胸郭が固いと肋骨が上手く動かなくなります。
最初は胸郭をストレッチしましょう!
そしてそれらと同じくもう1つ重要なのが【深呼吸】である。
具体的には、深呼吸で鼻から深く息を吸い込み、口からゆっくりと吸った息を全て吐き出す。
この吸った息を吐きだす時に、肋骨結節をポイントとし【肋骨頭関節】がお腹側へ回転するように促す。
それと同時に上がっている(外旋している)肋骨を押し下げるように圧迫しながら吸った息を全て吐き出す。
このように、呼吸をする際に肋骨、そして【肋骨頭関節】【肋横突関節】が本来動くように促してあげることで
それぞれの関節で引っかかりを起こしてしまっていたり、肋骨が上がっているせいで呼吸がうまくできていない状態を改善していくことができるのだ。
行って頂きたい体操をご紹介します。
これまで述べたことから、呼吸時には外からは見えない骨や関節の微細な動きが起こっていることがお分かり頂けただろうか?
呼吸が浅いと自覚されている方は、先ほど紹介した【肋骨頭関節】【肋横突関節】の動きが良くなかったり、肋骨が上がっている(外旋)可能性やある。
または、初めに挙げた肋間筋や横隔膜など筋肉が固くて、肋骨の上げ下げがうまくできず呼吸が浅くなっているのかもしれない。
このように呼吸が浅くなる原因は1つではないが、どれが原因だとしても改善に向けて必ず必要なのは常に意識しなければならない深い呼吸である。
深い呼吸をすることで、普段の浅い呼吸で本来の動きができなくなってしまっている関節をしっかりと動かすということ。
肋間筋や横隔膜など筋肉が固くなっているのであれば、深い呼吸をすることで筋肉もしっかりと運動され固くなっているのがほぐれるので、日頃の呼吸を見直し、深い意識することが特に重要なのである。
正しい呼吸を行いカラダ本来の動きを促し、歪みの少ないカラダを手に入れるきっかけになれれば幸いである。
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