『首こり』という症状を聞いたことがあるだろうか?
肩こりに比べるとあまり聞きなれないという方も多いかもしれないが、肩こりの症状がある方の多くは自覚ある、なしに関わらず首こりも併発している方が多いように思われる。
それはなぜか?
肩こりを感じる原因とされる筋肉の1つに肩甲挙筋と呼ばれる筋肉があり、その肩甲挙筋は首の骨から肩にかけて伸びている筋肉だからである。この首からスタートしている筋肉ということがポイントだ。
この首から肩にかけて伸びている1つの筋肉の中で、肩の部分で硬くなり肩こりは感じるのに付け根である首の部分は全く硬くなっておらず、こっていないというのは少し考えにくいような気はしないだろうか?
そして、肩甲挙筋のさらに上には首、肩、背中まで一番表層を覆う大きな筋肉である僧帽筋がある。
この筋肉は肩甲骨や鎖骨を上げたりする作用があり、また大きな筋肉であるが故に力も強い。
肩こりを感じたときに自分の手でグリグリ押したりするのは、肩甲挙筋の上にある僧帽筋の上部を押していることがほとんどだと言えるだろう。
さて、少し前説が長くなったが、今回は肩こりに比べると少し聞きなれない『首こり』について説明していこうと思う。
パソコン作業やスマートフォンを見る機会が多い現代人はこの症状にお悩みの方も多いと思うので、首こりが起こるメカニズムや症状改善法など是非ご参考にして頂ければと思う。
目次 [非表示]
先にも述べたように現代人は年齢問わずパソコンやスマートフォンを使用する機会がとても多い。
社会人はもちろん仕事でパソコンを使うのは当たり前となっているし、中高生、はたまた小学生でも今は情報処理などの授業でパソコンを使用したり、スマートフォンを所持している人も多いだろう。
現代社会ではそのような機器の所持は必須になってきているように感じる。
では、まず日常生活でそれらの機器を使用する事で起こる首こりのメカニズムを説明しておこう。
1つイメージして頂きたいのだが、パソコンやスマートフォンを使用しているときの首の位置はどうなっているだろうか?
おそらく多くの方は肩よりも首が前に出ている状態ではないだろうか?また、スマートフォンを見ている際は首が下を向いている状態が長く続いていないだろうか?
社内や電車の中などでそういった姿勢になっている人も見受けられると思うが、ポイントとなるのは頭の位置になる。
頭というのはボウリングの球と同じくらい重いとよく言われるが、例えばボウリングの球を腕、肘を伸ばした状態で両手で持ち続けるとどうなるか?
ボウリングの球の重さを腕だけで支えようとするので腕の筋肉はパンパンになり次第にプルプルと震えてくると思う。
首が肩よりも前に出ているというのはそれと同じことが起こっていると言える。
それを仕事や学校などで長時間、長期に渡り続けていたら首の筋肉もパンパンになって硬くなり慢性的な首こりの症状が現れることになる。
首は前にも後ろにも筋肉がついているが、首の後ろ側がつらいと言う方がほとんどだと思う。
先に述べたように、首が肩よりも前に出ていたりすることで後ろの筋肉は頭を支えるために常に力を発揮しなければならず収縮した状態となる。
その結果、パンパンに張った硬い筋肉が出来上がるが、この時ずっと負荷を強いられている筋肉はどういった筋肉なのか?
例を1つ挙げるとすると、よく患者さんの訴えとしても多いのが頭の付け根の部分がつまるような感じがする。という感覚だ。
首には多くの筋肉が存在するため、必ずしもこの筋肉が原因で上記の症状が起こっていると断定はできないが
そのつまるような感覚がする部分つまり、後頭部の骨のすぐ下、頭の付け根の部分には後頭下筋群と呼ばれる4つの筋肉が存在する。
この後頭下筋群は、頭を後ろに反らせまっすぐな位置で保つ作用がある。つまり、パソコンなどの使用で長時間、首が前に倒れた状態がが続くとこの後頭下筋群の筋力が弱まりまっすぐ正しい位置で頭を保持できなくなってしまう。
その結果、首は肩よりも前に出ている事が普通となり常に後頭下筋群がある頭の付け根の部分はつまる、つっぱるような感覚がするようになる。
では、そんな首こりはどうやって改善していけば良いのか?
首こりに限らず他の症状に対しても言える事だが、症状を手っ取り早く改善するには直接的にその症状の原因となっている動作や負荷などを除去するのが一番だ。
しかし、だからといって仕事や学校、スマートフォンの所持などをやめるわけにもいかない。
そうなると、メディア機器を使った分、その後しっかりと負荷がかかった筋肉に対するケアや、普段から筋肉自体を負荷にある程度耐えられるようトレーニングしておくことが症状の予防にもなり重要と言えるだろう。
ここでいうケアというのはマッサージなどでもケアにはなるが、おそらくマッサージでは負荷を強いた筋肉の緊張を緩め首こり症状が一時的には楽になるとは思うが
やはり、またパソコンなどを使用することで筋肉は緊張し再び首こり症状を感じるようになるだろう。
なので、先ほど例に出したような後頭下筋群やその他の首を正しい位置で支えてくれている筋肉の力を衰えさせないようにする必要がある。
それらの筋力を保つには実際にどのようにすれば良いのか?
ここで首~肩にかけてのこり症状を感じる筋肉に対して効果的なエクササイズをいくつかご紹介しよう。
まずは冒頭で説明した『肩甲挙筋』に対するストレッチからご紹介する。
肩甲挙筋のストレッチのやり方はとてもシンプルだ。
【やり方】
①左の肩甲挙筋を伸ばすなら首を右に向け、右の肩甲挙筋を伸ばすなら首を左に向ける。
②次に肩の端を触ってみると骨の出っ張りのような部分が確認できると思うがその部分に鼻を近づけるようにする。
以上、この2ステップだけである。そうするとビーンと首の部分の筋肉が伸びるような感覚があると思うが、それが肩甲挙筋が伸びている証拠だ。
それを気持ち良いか痛気持ち良い程度の強さで息を吐きながら最低30秒~1分程度伸ばし続ける。また、伸ばされる感覚を強くしたい場合は首が向いている側の手を使って、より鼻が肩に近づくように頭を押してやればより伸ばされる。
やり方は単純だが、このシンプルなストレッチだけでも正しく行えば首~肩にかけてのつらい症状に効果を発揮するだろう。
また、今回のメインテーマとも言える顎を上げて肩よりも首が前に出ている不良姿勢からくる首こり症状。
これに対してどういうエクササイズをすれば良いのか?冒頭でも述べたように上記の状態は、首の後ろ側の筋肉はずっと収縮していて短縮し硬くなっている。
反対に、顎が上がっているため喉周辺にある首の前側に位置する筋肉たちは伸び切ってしまって筋力が落ちてしまっている。
そのため、顎を引くように引っ張る力が弱まり常に顎が上がってしまっている状態となる。
それを改善するには再び首の前側の筋肉の筋力を取り戻すエクササイズが必要となる。
そのやり方もいたってシンプルだ。
【やり方】
①バスタオルを2つほど丸めて後頭部から背骨のラインに合わせて敷き、そのバスタオルの上に仰向けに寝る。
②顎を引いた状態で頭を首の力だけで少しだけ持ち上げる。持ち上げる高さは後頭部の髪の毛がバスタオルに触れてるか触れてないか程度まで。
③その状態で10秒間キープ。10秒経ったら3秒休んでまた10秒持ち上げてキープ。これを繰り返す。
以上、この3ステップのみである。これを繰り返していると次第に首の筋肉がプルプルとふるえてきて首を持ち上げられなくなるのでそこがエクササイズ終了の合図である。
肩甲挙筋のストレッチやこの首の前側の筋肉に対するエクササイズも共通して言えることは、無理のない範囲で行う事が重要である。
筋肉を伸ばそう、筋力をつけようとしてやり過ぎて痛めてしまっては元も子もないので焦って頑張り過ぎず無理なく行って頂きたいと思う。1日にどれだけ多くの数をこなすかより、数はなくても毎日続ける方が効果は大きくなるはずだからだ。
また、こちらの体操を加えると更に効果的である。
こちらの体操もおすすめです!
【デスクワークからくる首のコリを治す矯正体操(その1)】
【デスクワークからくる首のコリを治す矯正体操(その2)】
【デスクワークからくる首のコリを治す矯正体操(その3)】
こちらの動画も参考にしてみてください
現代では、スマートフォンやパソコンが普及しているため首や肩に負担のかかる姿勢を強いられる機会が多い。
仕事や勉強が忙しく運動をする習慣がないと尚更、その負担は増えるだろう。
なので、今回の記事ではそんな時間のない中でも行えるようにとてもシンプルな首こりに対するエクササイズを紹介させて頂いた。
仕事や勉強で首の筋肉に負担をかけたなら、その負担を解消するべくマッサージや鍼灸治療を受けてみるのも良いだろう。
ただ、一番大事なのは負担にある程度耐えられるだけの筋力をつけておいた方が良いということ。
マッサージや鍼灸治療で負担が軽くはなっても根本的な部分がしっかりしてなければまた同じことの繰り返しである。
この記事が現代の首こりに対する考え方の1つのきっかけになれれば幸いである。
〒104-0061
東京都中央区銀座 6-13-5
銀座NHビル4階
営業時間 10:00-23:00
(最終受付 22:00)
不定休
TEL 03-6278-8862
REVIEWお客様の声
2024/11/1
2020/6/24
2018/3/23
© revision. ALL RIGHTS RESERVED