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ツヤとツボと睡眠

ツヤ肌と睡眠【快適な睡眠のためのツボ】

ツヤとツボと睡眠

みなさん、肌のケアはどうしていますか。

 

 

健康的な肌というと、「ツヤのある肌」といいますが、この「ツヤ」とはなんでしょうか。

 

 

肌は表面から表皮・真皮・皮下組織の3つに分かれており、肌のツヤに重要となるのは、表皮になります。

 

 

今回は肌の「ツヤ」について睡眠と合わせながらお話したいと思います。

 

 

ツヤのお話をする前に、まずはツヤに関係してくる皮膚の構造、表皮について解説していきます。

 

 

肌の表面である表皮

 

表皮は肌の一番外側にあり、外界の刺激からの防御、体温調節、水分の蒸発を防ぐなどの役割があります。

 

 

表皮と真皮の境にある基底層には、基底細胞というものがあり、細胞分裂を行って肌の細胞を毎日作り変えています。

 

 

基底細胞から2週間かけて角質細胞となり、そこからさらに2週間かけて垢となり剥がれ落ちていきます。

 

 

これをターンオーバーといい、正常周期は年齢によりますがだいたい28日と言われており、早すぎても遅すぎても良くありません。

 

 

ターンオーバー

 

 

早すぎると未熟な角質細胞が増え保湿機能を果たせなくなり、遅すぎると古くなった角質層が溜まりくすみの原因になります。

 

 

また基底層にはメラノサイト(色素細胞)があり、紫外線を受けるとメラニンを生成して、真皮を紫外線から守ります。

 

 

メラニンはシミの原因になりますが、ターンオーバーが正常であれば、角質層と共に剥がれ落ちていきます。

 

 

表皮の一番外側にある角質層は、角質細胞がレンガ状に積み重なり、その間をセラミドが埋めています。

 

 

このセラミドは肌の潤いを保つのに重要で、これに皮脂とNMF(天然保湿因子)によって肌の保湿を維持しています。

 

 

肌の潤いを保つ三要素

 

  • ・皮脂
  • ・NMF(天然保湿因子)
  • ・セラミド

 

 

この3つは、肌の潤いを保つ三要素として活躍しています。

 

 

・皮脂

皮脂腺から出る油分で水分保持の2~3%を担っています。

 

 

油分が表面を覆うことで、水分の蒸発を防ぎ、また弱酸性に保ち菌の繁殖も防いでいます。

 

 

・NMF (天然保湿因子)

主成分はアミノ酸で、表皮のターンオーバーの過程でたんぱく質が分解されることで作られます。

 

 

水分保持の16~17%を担い、角質層に水分を供給することで、柔軟性と弾力性を保っています。

 

 

・セラミド

セラミドの原料はα-リノレン酸という不飽和脂肪酸で、角質細胞と角質細胞の間を埋める脂で、水分保持の80%を担っています。

 

 

角質細胞同士をつなぐ接着剤のような働きがあり、肌内部の水分蒸発を防ぐだけでなく、外界からの刺激から身を守る役割もあります。

 

 

肌のツヤの条件

 

さてそれでは、肌のツヤとはなんでしょうか?

 

 

ツヤについて最も重要なのは表皮の一番外側にある「角質層」です。

 

 

角質層である肌の表面は膨らみと溝があり、膨らみを皮丘(ひきゅう)、溝を皮溝(ひこう)、この膨らみと溝を合わせて肌理(きめ)と呼びます。

 

 

皮丘

 

 

この皮溝が細くて浅く、皮丘がふっくらしていて、肌理が均一に並んでいると、光の反射も均一になり「ツヤのある肌」になります。

 

 

逆に皮溝が広く深かったり、皮丘の高さや形が不揃いだったりすると、肌理が粗くなり「肌のざらつき」や「くすみ」となります。

 

 

睡眠と肌の関係性

 

睡眠と肌の関係性

 

 

実は睡眠は、肌やシミの代謝、ターンオーバーなどに重要で「夜更かしは肌の天敵」と言われますが、医学的に考えても肌には大変マイナスです。

 

 

睡眠中には「メラトニン」と「成長ホルモン」というホルモンが分泌されます。

 

 

メラトニンは「睡眠ホルモン」とも呼ばれ、睡眠を促す作用と抗酸化作用があります。

 

 

体内時計(サーカディアンリズム)を調整しており、朝日などの光が目に入ることで分泌が抑えられ、その14~16時間後に再び分泌し始めます。

 

 

そして副交感神経を優位にし、徐々に深部体温を低下させ、体を眠る状態にしてくれます。

 

 

ブルーライトの光でメラトニンの分泌が抑えられてしまうので、寝る前の1~2時間はパソコン・スマートフォンの操作を避け、少し部屋を暗くすることがより良い眠りにつながります。

 

 

またメラトニンには、ビタミンEの約2倍の抗酸化作用があり、アンチエイジングホルモンとして注目されています。

 

 

肌にとってシミの原因となるメラニンの代謝や、免疫力の増強、さらには成長ホルモンの分泌を促してくれます。

 

 

 

成長ホルモンは、表皮のターンオーバーを整えたり、真皮中の線維芽細胞を活性化させ、傷ついた細胞の修復、コラーゲンやヒアルロン酸の合成など新陳代謝の促進を行います。

 

 

この成長ホルモンは1回の睡眠の中でも寝付いてから3時間、特に最初の90分間に起こるノンレム睡眠で、70~80%分泌されます。

 

 

少し前まで肌のゴールデンタイムは、夜の10時~2時と言われてきましたが、このことが分かってから、「寝付いてからの3時間」が肌のゴールデンタイムと考えられるようになりました。

 

 

またメラトニンは光刺激から14~16時間後に再分泌され、2~3時間後に分泌のピークとなります。

 

 

この2つのホルモンの分泌が盛んになる時間を合わせることで、質の良い睡眠をとることができます。

 

 

睡眠の質を上げる東洋医学的ケア

 

 

質の良い睡眠がツヤ肌につながることをお話ししました。

 

 

そのためには寝つきが良く、朝まで起きずに寝て、熟眠感のある睡眠が大切です。

 

 

質の良い睡眠のためには、入浴で半身浴や炭酸のバスソルトで温まったり、ラベンダーなどリラックスできるアロマを焚くなどあります。

 

 

それでは睡眠に良いツボはどこなのか、お話していきます。

 

 

まず睡眠において有名なツボというと、湧泉(ゆうせん)と失眠(しつみん)というツボです。

 

 

湧泉

 

 

湧泉は、足の裏で唯一経絡が通っていて、腎の経絡が始まるところです。

 

 

失眠は中国語で不眠という意味で、経絡上にないツボですが不眠に効く特効穴と言われています。

 

 

足が冷えて眠れないという人には、家庭用のお灸などをすると温まり、非常にリラックスできます。

 

家庭用のお灸

 

 

またストレス、イライラで眠れない人は、百会や四神総というツボが効きます。

 

 

ツボ不眠

 

 

百会は、多くの経絡が交わり活動的な気(陽気)が集まるところなので、リラックスするには効果的なツボになります。

 

 

四神聡は、百会の周りにあるツボで百会と同じように心を落ち着かせるツボです。

 

 

今回は、あえて頭のツボと足の裏にあるツボを紹介しました。

 

 

頭の頂上と足裏にあるツボを使う事で、気血を全身に巡らせ、精神安定を図れる効果的な刺激を与える事が出来ます。

 

 

寝る前に体操しておくと、ぐっすり眠れて翌日に疲れが残りません!

 

仕事を長い時間していると、その仕事の癖に合わせて体が歪んできます。

 

 

すると、なかなか眠れなくなったり起きた時にスッキリしないという方が一定数いらっしゃいます。

 

 

そんな時は、寝る前に体をリセットさせる体操を行っておくと翌日まで疲れが残らなくなります。

 

 

今回は、こちらの体操をご紹介いたします。

 

 

是非、お試しください~

 

 

【体リセット体操(その1-1)】

寝る前に行う体リセット体操その1

 

 

【体リセット体操(その1-2)】

体リセット体操その2

 

 

【体リセット矯正体操その2-1】

体リセット矯正体操その2-1

 

 

【体リセット体操その2-2】

からだリセット矯正体操2-2やり方

 

 

【からだリセット体操(その3)】

からだリセットその3やり方

 

 

 こちらの動画も参考にしてください!

 

 

 

まとめ

 

肌つやとターンオーバー

 

ツヤ肌は、肌理の細かさにより生み出されていて、そのためには表皮のターンオーバーを正常に行わせることが大事です。

 

 

ターンオーバーは正常に行うためには、ホルモンの作用を十分発揮できるように、質の良い睡眠を取るのがよいでしょう。

 

 

「メラトニン」と「成長ホルモン」の分泌が活発になる時間帯を合わせることが重要で、そのためには速やかに眠れるようにセルフケアを行っていく事が質の良い睡眠を取れるカギとなります。

 

 

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腰痛

腰痛で悩んでいる方必見【あなたに合ったツボ教えます!】

腰痛

 

 

 

 

朝起きて感じる腰のだるさや重み

 

 

 

仕事中などに感じる腰痛

 

 

 

物を取る時の腰の痛み

 

 

 

など

 

 

 

さまざまな場面で腰の重ダルさ・痛みを感じる方が多いと思います。

 

 

 

そんな方へ

 

 

 

 

腰痛の原因【西洋医学からみた腰痛・東洋医学からみた腰痛】や治療法・自分に合ったツボ・正しいツボ押しについて紹介させていただきます。

 

 

 

腰痛とは

 

腰痛画像

 

腰痛とは、腰部に感じる痛みの総称です。

 

 

 

原因として、多く考えられるのは、腹筋と背筋のバランスの悪さによるものです。

 

 

 

どちらも、体を支えている大事な筋肉です。

 

 

 

どちらか一方の筋肉が弱まることで、腰に負担がかかり、痛みが出てしまいます。

 

 

 

また、病気が原因で痛みが出てている場合があるので、そちらも説明させていただきます。

 

 

 

腰痛の原因【西洋医学の考え方】

 

 

 

腰痛と関わる疾患として、以下のものがあげられます。

 

 

 

 

  • ・腰椎椎間板ヘルニア
  • ・椎間関節性腰痛
  • ・筋筋膜性腰痛
  • ・脊柱管狭窄症
  • ・変形性脊椎症
  • ・慢性関節リウマチ
  • ・脊椎外傷
  • ・腰椎分離・すべり症
  • ・がん(転移によるもの)
  • ・側弯症
  • ・長時間の同じ姿勢
  • ・尿路結石
  • ・腎盂腎炎

 

 

など、内臓の疾患からくる腰痛や、がんなどの緊急を要する腰痛があります。

 

 

 

腰痛を気になり始めたら一度、病院で他の病気から影響されているものか、検査する事も大事です。

 

 

 

西洋医学の疾患が原因となっている腰痛にも、東洋医学のツボを使い改善させる事が出来ます。

 

 

 

では次に東洋医学からみた腰痛について説明させていただきます。

 

 

 

腰痛の原因【東洋医学の考え方】

 

 

西洋医学と東洋医学の考え方は異なります。

 

 

 

西洋医学では、腰痛の原因を筋肉・神経・骨などの影響からかんがえますが、東洋医学では、原因を気・血の状態から考えます。

 

 

 

例えば、西洋医学では、先ほど上記にあげた疾患により、神経などが圧迫されて、腰に負担がかかり、痛みが出ると考えますが、東洋医学では、気の流れが悪いことで、腰回りの筋肉に栄養が行かず、痛みが出ていると考えます。

 

 

では、東洋医学について、説明させていただきます。

 

 

 

東洋医学からみた腰痛の原因として、多くは以下の3つに分けられます。

 

 

  • ・寒湿証
  • ・気滞血瘀証
  • ・腎虚証

 

 

まずは、寒湿証から説明させていただきます。

 

【1】寒湿証(かんしつしょう)について

 

 

 

寒湿症とは、疲れている時などに、強い寒さの刺激受けることで発症します。

 

 

 

雨の日や寒い日に痛みが強くなるタイプの腰痛です。

 

 

寒湿証の症状として、以下のものがあげられます。

 

  • ・寒い日に痛みが強くなる
  • ・温めると楽になる
  • ・腰を曲げたり、長く座っていると痛む
  • ・腰がだるく冷えている
  • ・息切れ
  • ・疲れ
  • ・めまい
  • ・頭痛などの腰痛以外の症状も伴う

 

 

この腰痛は、寒邪・湿邪の悪い邪が体の中に入り、気・血液の流れを滞らせている事が原因となっています。

 

 

 

寒湿証では、体を温め寒邪・湿邪を取り去り、滞っている気・血・経絡の流れを改善させ、腰回りの筋肉に栄養を巡らせる治療をします。

 

 

 

治療のため使用するツボを紹介させていただきます。

 

 

【有効なツボ】

 

腰痛 腎兪

 

 

腰痛 太衝

 

 

・太衝(たいしょう)‥体の中の湿を取り去り、循環を改善させます。

 

 

 

・豊隆(ほうりゅう)‥同様の理由で使用します。

 

 

 

・三陰交(さんいんこう)‥気・血・経絡の流れを改善させます。

 

 

 

 

・腎兪(じんゆ)‥腰痛の特効穴となり、どのタイプの腰痛にも有効です。

 

 

 

【2】気滞血瘀証(きたいけつおしょう)について

 

 

 

 

気滞血瘀証とは、外から悪い邪がはいってきたり、怒りなどの感情が内臓を傷付け、気の働き・気の流れが悪くなっている状態です。

 

 

 

気は、血を全身へ巡らせる作用があります。

 

 

 

 

なので、気滞により、気の流れが悪くなることで血液の流れも悪くなり、全身を巡っている血液が汚れてしまっている状態です。

 

 

 

気滞血瘀証の症状として、以下のものがあげられます。

 

 

 

  • ・腰を曲げたり、動かすことで痛みが強くなる。
  • ・脇胸部や胸が張り、痛みがある。
  • ・刺すような痛みを感じる
  • ・怒ったりすることで、痛みが強くなる
  • ・顔色が悪い(唇や爪も青紫色になる)

 

 

気滞血瘀症の治療も、同様にツボや経絡を使用し、滞っている気の流れをスムーズにします。

 

 

 

 

気の流れが改善されると、血液もスムーズに流れるようになり、汚れている血液がどんどん良い状態になります。

 

 

【有効なツボ】

 

腰腿点

 

腰痛 膈兪

 

 

・腰腿点(ようたいてん)‥すべての腰痛に効果的です。

 

 

・太衝(たいしょう)‥肝臓の機能を高めることで、気・血の循環を改善させます。

 

 

 

・期門(きもん)‥同様で、肝臓の機能を高めます。

 

 

 

・血海(けっかい)‥血が集まっているツボになるので、血液の滞りを改善させます。

 

 

 

・膈兪(かくゆ)‥血液の状態が悪い時の特効穴となるので使用します。

 

 

 

 

 

【3】腎虚証(じんきょしょう)について

 

 

 

腎虚症とは、腎臓の気が不足し、機能が低下している状態です。

 

 

 

働きすぎ・睡眠不足などで、疲れが溜まっている方になりやすいと言われています。

 

 

 

腎臓はもともと、腰と関係が深いと言われています。なので、腎臓の機能の低下が腰に負担をかけます。

 

 

 

腎虚症の症状として、以下のものがあげられます。

 

 

  • ・腰を動かすと痛みが強くなる
  • ・疲れている時や長く座っている時などに痛む
  • ・不眠
  • ・体のだるさ
  • ・物忘れ
  • ・耳鳴り
  • ・めまいなどの症状を伴う

 

 

 

腎虚症は、腎臓に気を集めて、低下している機能を正常に戻す(高める)治療をします。

 

 

 

また、気・血が不足している事で、筋肉に栄養が届かず、痛みを引き起こしているので、気・血を増やします!

 

 

 

【有効なツボ】

 

腰痛 気海

 

腰痛 血海

 

 

 

・気海(きかい)‥不足している気を増やします。

 

 

・血海(けっかい)‥血液を増やし循環を改善させます。

 

 

・腎兪(じんゆ)‥腎臓の機能を高めます。また腰痛の特効穴なので使用します。

 

 

・太谿(たいけい)‥腎臓の機能を高めるために使用します

 

 

ツボ押しだけで治らない方へ、簡単に出来る腰の体操

ツボ押しを行うと腰の痛みが軽くなるのですが、それに加えて腰の体操を加えると、更に痛みが和らぎます。

 

こちらの体操をお試しください。

 

 

腰痛予防のためのセルフ牽引矯正法やり方

 

 

また、お尻の筋肉が固くなると坐骨神経痛などの原因にもなります。

 

 

そんな時は、こちらのリリース法をお試しください。

 

 

固くなったお尻をリリース矯正法やり方

 

 

まとめ

 

 

 

腰痛は、西洋医学の観点からも、東洋医学の観点からも様々な原因が、考えられます。

 

 

 

西洋医学の治療では治らなかったものが、東洋医学の治療で治る場合もあります。

 

 

 

 

根本の問題を治さないと、痛みが繰り返し出てきてしまう事があります。

 

 

 

 

「いつも痛いから‥」、「気にしなければ大丈夫」と我慢せずに、医療機関に相談することが大事です。

 

 

 

また、鍼治療では、腰痛に電気を流して治す場合もあります。

 

 

 

自分の腰痛のタイプを見つけ、自分に合った治療していく事が必要です。

 

 

 

 

自分の体を見つめ直して、健康な体を作りましょう!!

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二日酔のツボの表紙

二日酔いに効くツボ!!【暑い夏、ビールを飲み過ぎる人は必見】

二日酔いに効くツボと酔っ払い

 

 

梅雨が明けると、本格的に暑い夏がやってきます。

 

 

そうなると美味しくなってくるのが、ビールです。

 

 

仕事帰りに枝豆をつまみに1杯・・・最高ですよね。

 

 

しかし、飲み過ぎてしまうと次のアノ辛い症状がやってきます。

 

 

そう二日酔いです。

 

 

ぐったり

 

 

夏に限らず、楽しい飲み会では、ついついお酒も進みがちです。

 

 

そんな時、次の日の二日酔いを少しでも軽くできるようなお話をしていきたいと思います。

 

 

酔いとは

 

 

まずお酒を飲むとなぜ酔うのか?

 

 

お酒を飲むと体がどうなっているのかについて、お話ししていきます。

 

 

アルコールとアセトアルデヒド

実はアルコール自体は、毒ではありません。

 

ですが、脳の中枢を麻痺(まひ)させて『酔い』を引き起こします。

 

 

更に、アルコールが分解される途中で発生する『アルデヒド』という物質が肝臓を傷つけ体にダメージを与えるのです。

 

詳しく説明していきます。

 

 

アルコールを分解させるメカニズム

お酒を飲んだ時のアルコールは、体の外に出さなければなりません。

 

 

まず、お酒に含まれるアルコールは、胃と小腸で吸収されます。

 

 

吸収されたアルコールは、胃と小腸の血管を通り、肝臓に運ばれ分解されます。

 

 

肝臓での分解には2つの工程があります。

 

 

  • ①アルコールをアセトアルデヒドに分解する。
  • ②アセトアルデヒドを酢酸に分解する。

 

 

この過程を経て、汗や尿で体の外へ排出(はいしゅつ)されます。

 

 

体に入ったアルコールは、脳に影響を与え、『酔い』を引き起こします。

 

 

アルコールを分解する際にでる『アセトアルデヒド』は毒性が強く、頭痛や吐き気、倦怠感などを引き起こします。

 

 

このように、肝臓に悪く働きます。

 

 

二日酔い 症状

 

 

まとめると、酔いとはアルコールの脳への影響と、アセトアルデヒドの肝臓への影響が原因です。

 

 

なので、いかにアルコールとアセトアルデヒドを速やかに分解することが、二日酔いの予防やケアになります。

 

 

お酒の強い人と弱い人 ―酵素とアルコール-

 

 

アルコールとアセトアルデヒドは、酵素によって分解されます。

 

 

アルコールを分解する酵素はADHとMEOS 、アセトアルデヒドを分解する酵素はALDH1、ALDH2があります。

 

 

肝臓の酵素

 

 

アルコールを分解するMEOSは鍛えることができます。

 

 

「飲むと強くなる」と言われるのは、MEOSが鍛えられたためと言えます。

 

 

またALDH1はアセトアルデヒドが沢山ある時に、ALDH2は少ない時に働きます。

 

 

お酒が弱い人はALDH2が少ないか存在しないため、アセトアルデヒドが体に溜まりやすく、酔いやすい体質となります。

 

 

酔いつぶれ

 

 

東洋医学での二日酔い

 

 

ここからは東洋医学での考え方を説明していきます。

 

 

西洋医学では、お酒を分解させる臓器は『肝臓』と説明しました。

 

 

その一方で東洋医学において、お酒を分解するには、『脾』や『胃』が関係しています。

 

 

なぜ、このような違いが出てくるのかというと、西洋医学と東洋医学では病気に対する考え方が違うからです。

 

 

東洋医学では、脾は消化や代謝の役割を担っています。

 

 

飲んだ水分を身体の潤いである『津液(しんえき)』に作り変えてくれます。

 

 

しかしたくさん飲むと、脾の働きが悪くなって余分な水分が溜まっていきます。

 

 

余分な水分を湿とよび、むくみや重ダルさが出てきます。

 

 

消化や代謝に疲れた脾の不調は、胃にも影響を与えます。

 

 

胃

 

 

胃は食べた物を受け取り消化して、小腸に降ろす役割があります。

 

 

しかし不調になると、食べたものを小腸に降ろせません。

 

 

それにより、消化不良を起こし吐いてしまいます。

 

 

また東洋医学では、お酒は湿熱(しつねつ)になるといいます。

 

 

湿熱とは、湿気と熱気を含んだ水分の事を表します。

 

 

つまりお酒を飲むと、体の中で湿気と熱気に分かれるということです。

 

 

湿気は、余分な水分として溜まっていきます。

 

 

熱気は、温かい空気なので上に昇る性質があります。

 

 

熱

 

 

身体の中の熱が上に昇っていくと、頭や顔に溜まります。

 

 

 

それにより頭痛や赤ら顔になります。

 

 

 

二日酔いの対処法

 

 

こころからは二日酔いの対処法についてお話ししていきます。

 

 

二日酔いに効く飲み物

 

 

飲み会

 

 

飲み会の前には、二日酔いや悪酔いを予防するため色々飲まれる方もいるでしょう。

 

 

ウコンや肝臓水解物(ヘパリーゼ)などがありますが、そういったものでなくても、飲んでいる間にお水を飲んで頂くだけでも十分効果的です。

 

 

先程、アルコールやアセトアルデヒドが原因というお話をさせて頂きました。

 

 

アルコールは分解するのに水分を使い、さらにアルコール自身に利尿作用があります。

 

 

またアセトアルデヒドは吐き気を起こさせます。

 

 

つまり酔っている間は、常に水が必要で、脱水になりやすい状態なっています。

 

 

脱水状態になると、二日酔いに拍車をかけます。

 

 

脱水予防のために、飲んでいる合間に水分摂取も重要です。

 

 

また吐いてしまったイオンバランスを補うために、スポーツドリンクを飲むのも効果的です。

 

 

ドリンク

 

 

ちなみに昔から言われてきた「迎い酒」はあまりよいものではなく、逆効果なのでおススメできません。

 

 

漢方薬とツボの二日酔い治療

 

 

東洋医学ではどう対応するのでしょうか。

 

 

東洋医学では「医食同源(いしょくどうげん)」という言葉があります。

 

 

薬も食事も口に入るものとして、元々同じものだという「薬膳料理」の考え方です。

 

 

今でいう「食育」に似ていますね。

 

 

お酒のおつまみに出るキュウリなどの瓜類や枝豆は湿熱を取る働きがあり、実は二日酔いには効果がある理にかなった食材です。

 

 

枝豆

 

 

おつまみで予防してもついつい飲みすぎてしまうことはあります。

 

 

そんなときには、漢方薬やツボで対応できます。

 

 

基本的には体質に合わせて処方しますが、二日酔いに有効な漢方薬として3つ挙げます。

 

 

  • ・五苓散(ごれいさん)
  • ・黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
  • ・半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

 

 

漢方薬

 

 

東洋医学で二日酔いに関係するのがお酒による「湿気」と「熱気」、消化と代謝に関係する「脾臓と胃」でした。

 

 

これらの漢方薬はそれらに効いてくれます。

 

 

五苓散は、水分を代謝させて余分な湿気を取り除く漢方薬です。

 

 

二日酔いで喉が渇き、むくみや下痢するタイプの人に有効です。

 

 

飲んでいてほてったり、すぐ顔が赤くなるタイプの人には黄連解毒湯を用います。

 

 

熱を取る漢方薬でのぼせやすい人に使われます。

 

 

また二日酔いの時、お腹が張ったり、みぞおちがつかえ、食欲がないときなどお腹に来る人は半夏瀉心湯が効きます。

 

 

そして、ツボによる予防・対処法もあります。

 

 

有効なツボとして内関、豊隆、陰陵泉、中脘 足三里、などがあります。

 

 

二日酔い ツボ

 

 

内関は胃の気の流れを下に降ろすツボです。

 

 

吐き気止めとして有名です。

 

 

豊隆、陰陵泉は脾や胃の経絡にあるツボです。

 

 

水分代謝を促すとされています。

 

 

お腹の症状がある時は、中脘、足三里が有効です。

 

 

 

まとめ

 

 

二日酔いは、アルコールとアセトアルデヒドによって起こります。

 

 

アルコールに強い弱いは体質によるもので、飲んで強くなることもありますが、無理をせずに対策を立てる方が有効です。

 

 

漢方薬やツボなどの対策はもちろん、飲んでいる時もおつまみや水分摂取、飲むペースなど気を付けることが大切です。

 

 

どうしても飲まなきゃいけない時は、是非参考にしてください。

 

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ドライアイ表紙

ドライアイには目のツボを!【目の乾きのセルフケア】

ドライアイ表紙

 

現在、パソコンやスマホなど生活に画面を見ない日はないと思います。

 

 

人によっては1日中パソコンに向かって作業をするという人も少なくありません。

 

 

仕事でパソコンとにらめっこという方には職業病ともいえますが、ちょっとした工夫で負担の軽減や予防が出来ます。

 

 

今回はドライアイについて、西洋医学と東洋医学の考え方、そしてドライアイに効くツボについてお話していきたいと思います。

 

 

眼の構造と涙について

 

 

ドライアイの話の前に、眼と涙の関係についてお話していきます。

 

 

眼球と表面の膜

 

まぶたの中にある眼球のうち、眼の黒目の部分を角膜、白目の部分を強膜といいます。

 

 

白目が赤くなると結膜炎って言われるから、白目は結膜じゃないの?って思われた人もいると思います。

 

 

実は白目の表面には薄い透明な膜があり、これが結膜です。

 

 

結膜は、角膜の周りから裏まぶたまで広がっており、眼球と眼のくぼみ(眼窩といいます)の間に異物が入らないようになっています。

 

 

角膜 強膜

 

 

涙と角膜

 

 

涙は、上から油層・水層・ムチン層の3つの層になっています。

 

 

油層は涙の蒸発を抑え、水層は角膜の表面に潤いを与えます。

 

 

ムチン層はムチンという粘り気のある成分で水分を角膜で留める役割があります。

 

 

涙は、上まぶたの目尻側にある涙腺で作られます。

 

 

これがまばたきの際にポンプのように送られ、目の表面を覆ってくれます。

 

 

その後、目頭にある鼻涙管(びるいかん)によって90%排出され、10%は蒸発します。

 

 

また黒目の部分である角膜には、血管がありません。

 

 

そのため、涙と眼球内の房水(ぼうすい)という水分が酸素と栄養分を角膜に運んでいます。

 

 

その他に涙は、ほこりや細菌がついても洗い流す役割があります。

 

 

涙

 

 

ドライアイについて

 

 

さてここまで、眼の構造についてお話してきました。

 

 

ここからいよいよドライアイについて説明していきます。

 

 

ドライアイとは、様々な原因で眼球の表面が乾燥し、黒目の部分である角膜が傷ついて不快感を起こします。

 

 

症状は、目の乾き感、目が疲れやすい、かすみ、ごろごろする感じなど様々です。

 

 

ドライアイは、さらに以下の3つに分けられます。

 

 

  • ・蒸散亢進型(じょうさんこうしんがた)
  • ・涙液減少型(るいえきげんしょうがた)
  • ・BUT短縮型(びーゆーてぃーたんしゅくがた)

 

 

1つずつお話していきます。

 

 

蒸散亢進型

 

 

ドライアイと聞くと、涙の量が少なくなったと思われがちです。

 

 

しかし実際は、乾きやすくなっている状態の方が多く8割を占めます。

 

 

その理由としては、涙の3つの層のうち、油層が十分に分泌されず蒸発しやすくなっています。

 

 

これを蒸散亢進型ドライアイといいます。

 

 

蒸散亢進型ドライアイが多くなっている理由として以下のことが挙げられます。

 

 

  • ・パソコンなどで眼を酷使しまばたきの回数が減ってしまうこと
  • ・コンタクトレンズが形状維持のため涙を吸収してしまうこと
  • ・エアコンなどの風により眼が乾燥してしまうこと

 

3コン

 

「エアコン」「パソコン」「コンタクトレンズ」のコンの部分を取って、ドライアイの原因の「三コン」と呼ばれています。

 

 

また最近では女性がオシャレのため、アイプチで無理に二重を作ることで、十分にまばたきが出来なくなって起こることもあります。

 

 

涙液減少型

 

 

目は乾燥したりゴミが入ると、反射的に涙が出てきて洗い流してくれます。

 

 

しかし刺激されてから涙が分泌されるまでのどこかに異常があると、涙が分泌されにくくなります。

 

 

この分泌されにくい状態を涙液減少型ドライアイといいます。

 

 

このドライアイは、シェーグレン症候群という膠原病とそれ以外の2つに分けられています。

 

 

シェーグレン症候群とは、涙腺などが破壊される難病指定の疾患です。

 

 

それ以外のものは、加齢や不規則な生活やストレス、糖尿病など様々です。

 

 

過労・ストレス

 

 

BUT短縮型

 

 

眼はまばたきをすると、10秒以上は涙で潤っています。

 

 

しかし5秒以内に乾燥してしまうことがあります。

 

 

これが最近判明したBUT短縮型ドライアイというものです。

 

 

原因は涙の成分のムチンの働きが弱くなったからだと言われています。

 

 

パソコンする人やコンタクトレンズを着けている人を中心に増えてきています。

 

 

ドライアイの治療

 

 

基本的には目薬で眼を潤す対症療法が主流です。

 

 

 

目薬にも種類があり、人工涙液や水分保湿効果のあるヒアルロン酸、BUT短縮型にはムチン分泌を促進する物もあります。

 

 

重症なドライアイでは、角膜の栄養不足を補うため、自分の血液から作る目薬を使う事もあります。

 

 

目薬以外の治療は、涙点プラグという鼻涙管に続く通り道を塞ぐという処置もあります。

 

 

また蒸散亢進型によるものは、先ほど挙げた三コンに対し、以下の対策をするもの効果的です。

 

 

  • ・まばたきの回数を意識してみる。
  • ・エアコンの直風を避け加湿を心掛ける。
  • ・帰宅したらコンタクトレンズからメガネに変え、コンタクトレンズの使用時間を短くする。
  • ・パソコン作業の時に、パソコン用のメガネに変える。

 

 

などをすることで症状を和らげることもできます。

 

 

PCと眼鏡

 

 

東洋医学でのドライアイ

 

 

ここからは東洋医学でのドライアイについてお話していきます。

 

 

東洋医学で、目の乾きやかすみを訴えるものには、肝陰虚(かんいんきょ)証と肝血虚(かんけっきょ)証があります。

 

 

どちらにも五臓六腑の「肝」がという字が入っています。

 

 

この肝というものは目と関係が強いとされています。

 

 

東洋医学での目とは

 

 

目

 

 

東洋医学では、目は血のおかげで視力が出て、涙により潤わされていると考えます。

 

 

この血を蓄えて必要な時に配る役割をするのが肝です。

 

 

なので、蓄えている血が少なくなることで目がかすんできます。

 

 

これを肝血虚証とよびます。

 

 

さらに過労や不眠などが重なると、進行してしまい身体が乾いた状態を表す肝陰虚(かんいんきょ)証になります。

 

 

この状態になると、目が乾きやすくなるなどのドライアイの症状が現れます。

 

 

この時には陰液を補う治療を行い、これを滋陰といいます。

 

 

ちなみに肝陰虚証に使われる漢方薬では「杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)」がありますが、保険適応外になります。

 

 

これには六味丸(ろくみがん)という陰虚に使う漢方に、目に良いとされるクコの実と菊の花が入っています。

 

 

ドライアイに効果的なツボ

 

 

それではドライアイに効く眼のツボについてお話していきます。

 

 

先程挙げた滋陰のツボも良いのですが、今回はより即効性のあるツボを紹介します。

 

 

やはり目に効くツボは、目の周りに多いです。

 

 

目のツボ

 

 

沢山ありますが、今回はこの4つを紹介していきます。

 

  • ・睛明
  • ・攅竹
  • ・魚腰
  • ・太陽

 

 

睛明は、肝の精血が集まるところといわれ、写真のように目が疲れた時に自然と手がいきます。

 

 

晴明 男性

 

 

解剖学的にも鼻涙管の入り口があるので、圧迫することで涙の排出を一時的に食い止めて、目を潤す事が出来ます。

 

 

攅竹は眉頭の内側にあります。

 

 

ここは目の開け閉めに関わる筋肉があるので、まぶたが痙攣のようにぴくぴくと動く時にもよいとされています。

 

 

魚腰は、眉毛の真ん中にあります。

 

 

ここには眼に関係する血管や神経が通り道があるので、ほぐしてあげることですっきりします。

 

 

太陽は、眉尻と目尻の間で、指1本分後ろのこめかみにあり、押すと目の奥にズーンとした感じがしてきます。

 

 

経絡という気血の通り道の上にはないツボですが、目の症状には効くと有名なツボです。

 

 

これらのツボをゆっくり押してみて下さい。

 

 

目の指圧

 

 

コツはツボに指を当てたら、3秒かけて圧をかけていき、3秒間同じ圧で止めて、3秒かけて圧を抜いていくようにしてください。

 

 

まとめ

 

 

ドライアイは、涙の量が減ってしまうというより乾きやすい状態になっている人が多くなっています。

 

 

その原因は、パソコン作業やコンタクトレンズなどによって引き起こされ、治療は対症療法が中心となっています。

 

 

まばたきの回数や加湿、眼鏡の使用などで生活習慣を心がけるだけでも対策ができ、また目薬やツボ押しなどで不快感や症状を和らげることができます。

 

 

不快感や症状が出てくる前に意識して、対策法を行ってみると辛くなる前にケアが出来ておススメです。

 

 

ドライアイでお悩みの方は、参考にしてみてください。

 

 

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不眠タイトル

不眠の原因は内臓から?【不眠に効くツボ教えます!】

 

 

 

不眠タイトル

 

 

 

最近、眠れない日が続く。

 

 

 

寝つきが悪く、寝てもすぐに目が覚めてしまう。

 

 

 

重症なものでは、一晩中まったく眠れない事があります。

 

 

 

そんな、不眠症で悩んでいる方へ。

 

 

 

 

本当の原因と、自分で出来るケアを紹介させていただきます。

 

 

 

不眠症について

 

 

最初に不眠の概念から説明させていただきます。

 

 

不眠とは

 

 

不眠イラスト

 

 

まず、不眠というのは、十分に睡眠がとれていない状態の事を言います。

 

 

 

 

不眠と言っても、症状は人それぞれです。

 

  • ・疲れているのに眠れない。
  • ・夜中に何度も目が覚める。
  • ・眠りが浅く、熟睡が出来ない。

 

重症のものでは、

  • ・一晩中、一睡もできない。
  • ・不眠の状態が、数年・数十年続いている。

 

 

 

 

など、とても辛い状態です。

 

 

多くの場合、動悸・頭痛・めまいなどの症状を伴います。

 

 

 

また、様々な病気の症状に、【不眠】が関わっている場合があります。

 

 

 

不眠と他の病気との関わりについて、紹介させて頂きます。

 

 

 

不眠を引き起こす病気

 

 

不眠を引き起こす病気として、以下のものが挙げられます。

 

 

・高血圧

・糖尿病

・認知症・脳卒中などの脳の病気

・ホルモンバランスの乱れ

・頭痛・腰痛・肩こりなど

・うつ病などの精神疾患

・アトピー

・呼吸器疾患

 

 

 

これらが、睡眠に悪影響を及ぼします。

 

 

 

東洋医学では、別の原因が考えられます。

 

 

 

不眠の原因【東洋医学の考え】

 

 

 

東洋医学では、不眠と関わる臓器として【心・脾・肝】があげられます。

 

 

 

それぞれの臓器のバランスがくずれる事で、不眠が起きてしまいます。

 

 

 

東洋医学からみた原因として、多くは以下のものがあげられます。

 

  • ・心脾両虚症
  • ・肝鬱化火症

 

 

まずは、心脾両虚症から説明させていただきます。

 

 

【心脾両虚(しんぴりょうきょ)症について】

 

 

心脾両虚症とは、心・脾の機能が両方低下している状態です。

 

 

 

怒りっぽい方や、疲れている方になりやすく、物事の考えすぎなどが、心・脾を傷付け不眠につながります。

 

 

 

心脾両虚症の症状として、以下のものがあげられます。

 

  • ・なかなか眠りに付けない
  • ・すぐに目が覚めてしまう
  • ・動悸
  • ・精神的な疲れ
  • ・物忘れが多い
  • ・怖がったり、驚いたりしやすい

 

 

この様な症状が多い場合は、【心・脾】が疲れているという事になります。

 

 

 

心脾両虚症を治すためには、心の血不足や脾の気不足を改善させる必要があります。

 

 

気血の不足で、心・脾・脳が栄養されず、不眠と共にめまい・頭痛などの様々な症状が出るので、気血を増やす治療をします。

 

 

 

また、眠ろうとしてる時などに、脳が考え事をしてしまい、不眠につながる場合があるので、脳を休ませることが大事です。

 

 

 

【有効なツボ】

 

不眠 神門

 

 

不眠症 風池

 

・神門(しんもん)‥心を落ち着かせ、心の機能を高める為に使用します。

 

 

・風池(ふうち)‥考え事の多い脳を休ませます。

 

 

・三陰交(さんいんこう)‥血液不足を補います。

 

 

・血海(けっかい)‥同様で使用します。

 

 

・太白(たいはく)‥低下している脾の機能を高めます。

 

 

 

次に、肝鬱化火症を説明させていただきます。

 

 

【肝鬱化火(かんうつかか)症について】

 

 

肝鬱化火症は、何らかの影響で肝臓に熱が生まれ、熱が脳まで上ってしまっている状態です。

 

 

 

原因として、多く考えられるのは、考えすぎ・怒り・揉め事などが、肝臓を傷付けている事です。

 

 

 

 

我慢することや、気付かないうちに溜まっているストレス・精神的な疲れなどが、肝臓に影響を及ぼす事があります。

 

 

肝鬱化火症の症状として、以下のものがあげられます。

 

  • ・手足が熱い
  • ・怒りっぽい
  • ・手の平に汗をかく
  • ・眠っていても驚いて目が覚める事がある。
  • ・なかなか眠りにつけず、熟睡できない。
  • ・口や鼻の息が熱い

 

 

これらは、肝臓に熱が生まれる事で出る症状です。

 

 

 

 

肝鬱化火症を改善させるためには、以下の2つの治療法があります。

 

  • ・疏肝清熱【そかんせいねつ】
  • ・精心安神【せいしんあんじん】

 

 

では、疏肝清熱から説明させていただきます。

 

 

【1】疏肝清熱

 

これは、肝臓・体の中の熱を取り、肝臓の疏泄機能をたかめ、循環を改善させる治療法です。

 

 

【有効なツボ】

 

不眠 太衝

 

・太衝(たいしょう)‥肝臓の機能をたかめます。

 

 

・神門(しんもん)‥心の機能を高め、心を落ち着かせます。

 

 

 

・期門(きもん)‥肝臓の気が集まる所で、機能を高めます。

 

 

 

・三陰交(さんいんこう)‥体の中の循環を良くします。

 

 

 

【2】精心安神

 

 

 

不眠の多くは、心の疲れからきています。

 

 

 

心が疲れていると眠れない。

 

 

 

眠れないと、脳が疲れ、さらに心が疲れるという悪循環を引き起こしてしまいます。

 

 

 

そんな、心の疲れを改善させ、リラックスさせる治療法です。

 

 

 

【有効なツボ】

 

 

不眠 失眠

 

 

膈兪 不眠

 

・三陰交(さんいんこう)‥手足の血行を良くして、リラックス感を高めます。

 

 

・膈兪(かくゆ)‥全身の血液循環を良くします。

 

 

・心兪(しんゆ)‥背中の緊張をほぐし心地良い眠りが期待できます。 

        また、心の機能を高めます。

 

 

・失眠(しつみん)‥不眠症の特効穴です。全てのタイプの不眠症に有効です。

 

 

 

まとめ

 

 

不眠症は、西洋医学・東洋医学どちらから見ても、様々な原因があります。

 

 

 

多くは、心の疲れからきている事が分かっています。

 

 

 

心が疲れていると感じたら、無理をせず休息をとり、心身ともに休ませることが大事です。

 

 

 

また、自分で出来るメンテナンスもあります。

 

 

 

深呼吸をするだけなので、とても簡単です。

 

 

 

息を吸う時間は変えず、息を吐く時間を長くします。

 

 

 

吐く時間に20秒くらいかけるようにすると、副交感神経が優位になり、リラックス感が高まります。

 

 

 

そうすることで、眠りにつきやすくなります。

 

 

 

また、寝る前のツボ押しも効果的です。

 

 

 

不眠は、体にとても負担をかけ、疲れが溜まってしまいます。

 

 

 

なので、なるべく負担を減らし、疲れたら休む,無理をしないという事が大事です。

 

 

 

これを意識することで、徐々に不眠が改善すると思います。

 

 

体の中から治していき、良い睡眠を取れるようにしましょう!!

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耳鳴り 表紙

耳にまとわりつく音【不快な耳鳴りの種類と鍼灸治療】

耳にまとわりつく雑音

 

普段、日常で聞こえてくる音。人の話し声、携帯の呼び出し音、電車の通る通過する音・・・

 

 

生活音とは、意識することなく耳に入ってきます。

 

 

音とは、同じところにいれば、そこにいる皆がほぼ同じように聞こえてきます。

 

 

そんな中、突然、自分にしか聞こえない音がすることがあります・・・

 

 

ホラーの話ではなく、「幻聴」か「耳鳴り」です。

 

 

普段はあまり気にしていませんが、突然起きたら、気になり不快に感じると思います。

 

 

今回は、そんな「耳鳴り」についてお話していきたいと思います。

 

 

耳鳴りについて

 

耳鳴りとは、周囲に音がしていないにも関わらず、「ピー」「ジー」など音を感じる状態のことです。

 

 

原因ははっきりと解明されていませんが、耳の中の内耳にある蝸牛という器官だと言われています。

 

 

蝸牛は空気の振動をリンパ液の振動に変え、さらに脳へ伝える電気信号に変える器官です。

 

 

このリンパ液の振動を電気信号へ変えるところで障害が起こっていると考えられています。

 

 

音の性質により、3つに分けられます。

 

  • ・高音型
  • ・低音型
  • ・雑音型

 

 

それぞれ特徴があって、その後の治療方針なども変わってきます。

 

 

高温型

「キーン」や「ピー」などの機械音のような高い音が聞かれます。

 

低音の耳鳴りに比べると治りにくいです。

 

老人性の難聴などに伴い起こることがあります。

 

 

低音型

「ブーン」や「ボーン」などの低い音を訴える人が多いです。

 

「ジー」とセミが鳴いているような音と表現される人も多いです。

 

中耳炎やメニエール病でこのような耳鳴りを自覚される方がいます。

 

 

雑音型

「ガサガサ」と聞こえる人もいます。

 

この場合、耳の中の鼓膜までの道の間に異物が入り起こっている可能性があり、異物の除去で改善されることもあります。

 

 

また耳鳴りのあり、それ以外にめまいと難聴の症状がある場合、「メニエール病」や「突発性難聴」の可能性があります。

 

 

「突発性難聴」では、症状が出てからどれだけ早く治療に入るかで、その後の聴力の回復に関わります。

 

上記の3つの症状がある時は、まずは病院受診をお勧めします。

 

 

耳鳴りの治療について

 

耳鳴りは原因不明のケースもあり、根本治療が難しく対症療法で苦痛を軽減することが一般的です。

 

 

薬物療法としては、メチコバールなどのビタミン剤や血流改善の薬が処方されます。

 

 

急性の激しい耳鳴りや突発性難聴では、ステロイド剤を使用することもあります。

 

 

また耳鳴りによる生活上のストレスを和らげるため、眠剤や抗不安薬が出されることもあります。

 

 

薬以外の治療法として挙げられるは、内耳の血流改善を目的とした交感神経への神経ブロックや生活習慣の改善のための生活指導が挙げられます。

 

 

耳鳴りの東洋学的考え方

 

それではここから、東洋医学における耳鳴りについてお話します。

 

 

まず東洋医学では、耳は五臓六腑の腎と関係が深く、経絡では体の側面を流れている2つの少陽経と太陽小腸経が耳に絡みます。

 

 

また間接的に五臓の脾・肝も関連すると言われています。

 

 

耳鳴りの原因は、邪や肝火などの不要物質が耳の経絡の流れを阻害して起こる実証か、腎・脾の気の不足で耳に栄養をできない虚証がある。

 

 

実証は急激に起こり、耳で手を抑えると音が大きくなる低音性の耳鳴りです。

 

 

原因は風熱の邪気が侵入し耳で停滞を起こす風熱(ふうねつ)、ストレスで滞った気が火なり耳で滞る肝火上炎(かんかじょうえん)、痰濁が長く滞り熱となり耳で滞る痰熱(たんねつ)があります。

 

 

虚証は慢性的に起こり、耳で手を抑えると音が緩和される高音性の耳鳴りです。

 

 

原因は老化や長く病気を患うことで精気を消耗して起こす腎陰虚(じんいんきょ)・腎陽虚(じんようきょ)、飲食の不摂生や疲労により起こる脾気虚(ひききょ)があります。

 

 

東洋医学的耳鳴りの治療法

東洋医学では、耳鳴りという症状ではなく、原因で処方が決まります。

 

 

今回は耳鳴りで使われる漢方薬とツボについてお話します。

 

 

 

 

・漢方薬

実証では、風熱であれば銀散(ぎんぎょうさん)。

 

肝火上炎であれば竜胆肝湯(りゅうたんしゃかんとう)。

 

痰熱であれば温胆湯(うんたんとう) などがあります。

 

 

虚証では、腎陰虚であれば六味地黄丸(ろくみじおうがん)。

 

腎陽虚であれば、八味地黄丸(はちみじおうがん)。

 

脾気虚であれば、補中益気湯(ほちゅうえきとう) などがあります。

 

 

このように同じ耳鳴りでも原因が違えば使う漢方薬も異なります。

 

これを「同病異治(どうびょういち)」といいます。

 

 

ちなみに、ここで挙げた漢方薬は風邪や消化不良、頻尿に使われることがあります。

 

 

例えば、銀散は風邪にも使うことがあります。

 

このように別の症状でも同じ漢方薬を使うことを「異病同治(いびょうどうち)」といいます。

 

 

・ツボ

さて次に耳のツボについてお話していきます。

 

 

先ほどにも挙げましたが、耳に絡む経絡は、2つの少陽経と太陽小腸経が耳です。

 

 

耳の前にある耳門(じもん)・聴宮(ちょうきゅう)・聴会(ちょうえ)というツボは、それぞれ三焦経、小腸経、胆経にあるツボで、原因に合わせ使っていきます。

 

 

また翳風(えいふう)というツボが、耳の症状に効果的です。

 

 

翳風は手の三焦経にありますが、胆経と交わります。ともに耳に繋がる少陽経の交わるツボのため、耳鳴りだけでなく、耳に関する症状に効果があります。

 

耳のツボ

 

またこれらの局所のツボに、それぞれの証に対して、ツボを組み合わせて治療を進めていきます。以下にのは1例で他の症状などで組み合わせは変わります。

 

 

  • ・風熱では風池・大椎
  • ・肝火上炎では行間・肝兪
  • ・痰熱では豊隆・内庭
  • ・腎陰虚では太渓・復溜
  • ・腎陽虚では腎兪・命門
  • ・脾気虚では脾兪・足三里

 

耳鳴りツボ

 

 

まとめ

 

耳鳴りは原因自体は判明していませんが、音の高さや性質によって違いがあります。

 

 

治療法は対症療法が一般的で、東洋医学では症状の性質によって治療法を変えていきます。

 

 

また耳鳴りは、突発性難聴などの病気の症状として出ることもあるので、他に眩暈や難聴の症状があれば、病院の受診をお勧めします。

 

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むくみの本当の原因とその予防

むくみの本当の原因とその予防【本当に効くツボ教えます】

むくみの本当の原因とその予防

 

朝起きて、顔が浮腫んでいる。

 

足が浮腫んでいる。

 

そんな経験をしたことある方が多いと思います。

 

ですが、

 

なぜ浮腫むのか、知らない方もいると思います。

 

むくみに悩んでいるけれど、どう対処すれば良いのかわからない。

 

という方もいると思います。

 

そのような方にむけて、原因と予防法を紹介させていただきます。

 

 

むくみとは

 

一般的に知られているむくみの考え方の他に、東洋医学の考え方もあります。

 

 

両方の考え方を知る事で、自分に合っている治療法を見つける事が出来ると思います。

 

 

まずは、一般的に良く知られている原因から説明させていただきます。

 

 

一般的な原因

むくみとは、細胞と細胞の間に異常に水分が増えている状態です。

 

 

お顔のむくみとは、お顔の皮膚の皮下組織に水分が溜まっている事が原因で起こっています。

 

必要のないはずの水分が体に溜まっている状態です。

 

また、お酒をのんだ次の日に浮腫んでいることを経験された方もいると思います。

 

 

体の水分の処理を行っているリンパ組織が、血液中のアルコール濃度が高くなっている事で、血管が拡張してしまい、正常に働けなくなってしまいます。

 

 

なので、お酒の飲み過ぎは、体が浮腫みやすい状態を作っていることになります。

 

 

その他にも、塩分の摂りすぎや運動不足からも起こります。

 

これらの状態が良く知られているものになります。

 

その他に、東洋医学の考え方というものもあるので、紹介させていただきます。

 

 

東洋医学の考え方

東洋医学の考え方では、原因が様々あり、以下のタイプ分けが出来ます。

 

 

  • ・肺虚証
  • ・脾気虚症
  • ・寒湿症

 

 

まず、肺虚症について、説明させていただきます。

 

 

(1)肺虚症

 

肺虚

 

もともと、「肺は水の上源」と言われ、水をつかさどっている場所です。

 

肺には、宣発・粛降機能作用というものがあります。

 

宣発作用により、水分が全身に行き渡ります。

 

肺が何らかの影響により、機能がおちる事で、体の中の水分が溜まってしまう(=浮腫)という状態になります。

 

外から入ってくる風邪、乾燥状態、他にも悲しみなど心因的な問題も、肺の機能低下につながります。

                

 

有効なツボの使用・適切な治療により、宣発作用を高め、必要な水分を体のすみずみまで滞りなく行き渡らせる必要があります。

 

 

【有効なツボ】

 

ツボ

 

・豊隆(瀉法)というツボは、むくみの特効穴なので、全てのタイプのむくみに有効です。

 

・太淵(補法)により肺の機能を高める。

 

・尺沢(補法)も同様です。

 

・中府(募穴・補法)は臓腑の気が集まる場所なので、肺が元気になります。

 

・水分(補法)の使用により、血液の循環を良くする。

 

 

(2)脾気虚

 

脾虚

 

なんらかの影響により、脾臓に元気が無くなると、体の中に、痰や湿が溜まり、血液の循環が悪くなります。

 

 

その結果、むくみが起こります。

 

 

食べ物の不摂生・偏りや、物事の考えすぎなどの精神的ストレスが脾臓に影響を及ぼします。

               ⇊

 

食べ物の偏り・不摂生は、本人が気を付ければ改善できるところです。

 

ストレス・悪い生活習慣を見直し、脾の働きを正常に戻し、体の血液循環を良くする必要があります。

 

 

【有効なツボ】

 

三陰交

・太白(補法)は、脾の原穴なので、脾の働きを高める作用があります。

 

・三陰交(補法)を使用し、血液循環を良くする

 

・足三里(補法)を使用し、脾胃の機能を高める。

 

・中脘(募穴・補法)を使用し、胃の機能を高める。

 

・章門(募穴・補法)も同様です。

 

 

(3)寒湿症

 

寒湿

雨の日や梅雨の季節のむくみは、寒湿が原因です。

 

 

梅雨の時期のじめじめしている湿が体の中に溜まる事で、湿が苦手な脾の機能が弱まり、血液循環が悪くなります。

 

 

さらに、寒さの影響で腎の機能が弱まります。

 

東洋医学では、『腎は水の主源』という言葉があります。

 

肺と共に体の水分調節を行っているとても大事な臓器です。

 

腎臓の機能が低下することで、水分・血液循環が悪くなりむくみの原因となります。

 

               ⇊

 

まず、寒さの影響があるので、お灸や入浴・食事などで体を温め、血液循環を良くする必要があります。

 

 

また、体の中に溜まってしまった湿を除去し、弱っている脾胃の作用を高め、湿を処理できるように体を改善する必要があります。

 

 

【有効なツボ】

豊隆 足三里

 

胃の六ッ灸 腎兪

 

・太谿(原穴・補法)を使用する事で、腎の機能を高め循環をよくします。

 

・湧泉(補法)を使用し腎の機能を高める。

 

・胃の六ッ灸(補法)を使用し消化機能を高める。また、お灸などで温めることで、循環が良くなります。

 

・太白(補法)を使用し、脾の機能を高める。

 

・豊隆(補法)を使用し、湿を除去する。

 

・腎兪(補法)を使用し腎臓の機能を高める。

 

・足三里(補法)を使用し胃の機能を高める。

 

・中脘(補法)も同様です。

 

・章門(補法)も同様です。

 

 

 

まとめ

 

むくみのまとめ

 

むくみの原因は、悪い生活習慣(食べ物の偏りなど)からなるものや、その日の天候・風邪・ストレスからなるものなど様々あります。

 

 

食べ物の偏りだけを気を付けていても、本当の原因はストレスからきているのかも知れません。

 

 

自分では気付いていない、気にしていない部分に根本的な問題が隠れている可能性があります。

 

根本的な問題を見つけ、治していかないと、またすぐに繰り返してしまいます。

 

 

また、浮腫んでいる時にセルフマッサージなどで、リンパ・血液の流れを良くしたり、体が冷えている場合には、お風呂などで温めたりすることで、防ぐ事が出来ます。

 

 

それに加えて、東洋医学の考えも活用し、有効なツボ・治療法で、治していくことがも大事です。

 

自分の体調で少しで気になることがある場合には、放っておいたり、我慢したりせずに、治していく努力が必要です。

 

 

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頭痛といっても1つじゃない!タイプ別の慢性頭痛と東洋医学の慢性頭痛

頭痛といっても1つじゃない!タイプ別の東洋医学の慢性頭痛

頭痛といっても1つじゃない!タイプ別の慢性頭痛と東洋医学の慢性頭痛

 

みなさんは、片頭痛はお持ちですか。

 

日本人では、1000万人以上の人が頭痛持ちで、女性に多いという統計結果がでています。

 

「頭痛なんて」っていう方もいますが、頭痛持ちの方からかなり深刻な問題です。

 

 

今回は頭痛の種類と薬、また東洋医学的な考え方についてお話していきます。

 

 

頭痛の種類

 

 頭痛には、大きく分けて3つ種類あります。

 

  • ・緊張性頭痛
  • ・片頭痛
  • ・群発性頭痛

 

 また今回は、なんらかの病気の症状として起こる頭痛(脳出血、脳腫瘍など)は除いて考えています。

 

緊張性頭痛

日本人に最も多いとされ、頭全体や後頭部がぎゅーっと締め付けられるように痛みます。

 

首や肩周囲の筋肉の緊張によって、乳酸などの老廃物が貯まり、これらが発痛物質となり頭痛が引き起こされます。

 

 

筋肉の緊張が原因であるので、ストレッチなどで筋肉を動かしたり、入浴で肩や首を温めると楽になるなどが有効です。

 

 

片頭痛

女性に多く、片側のこめかみから目のあたりにかけてズキズキと脈を打つように痛みます。

 

 

また片頭痛の代表的な前兆として、目の前にチカチカ・キラキラするといった症状 (これを閃輝暗点という)があり、15~30分ほど起こってそのあと頭痛が始まります。

 

 

原因は解明されていませんが、頭の中の血管が広がって神経を圧迫して起こると言われ、その血管が広がる原因として、セロトニン説と三叉神経血管説があります。

 

  • ・セロトニン説

ストレスなど何らかの刺激により、血小板から大量のセロトニンが分泌されます。

 

大量のセロトニンにより一時的に血管が収縮して、この時に前兆症状が起きます。

 

その後、セロトニンが分解されると、血管が拡張していき神経を刺激し痛みを引き起こすというものです。

 

 

  • ・三叉神経血管説

顔の神経である三叉神経がストレスなどの刺激を受けると神経ペプチドという発痛物質を放出し、血管を広げて炎症を起こします。

 

この炎症による痛みと、広がった血管が周囲の神経を刺激して痛みを引き起こすというものです。

 

どちらの説でも血管が広がって頭痛を引き起こすため、対処法は患部を冷やすとよいと言われています。

 

 

群発性頭痛

他の頭痛に比べすくないですが、男性に多く、1~2ヵ月に集中して現れ、片側の眼の奥や周りから側頭部にかけて「眼がえぐられる様な」と表現される程の激しい頭痛です。

 

 

原因ははっきりしていませんが、目の後ろにある動脈の炎症を起こし、周囲の神経を刺激するとことが原因と言われています。

 

 

タバコやアルコールで誘発されることが多いので、群発期間中は控えるようにしましょう。

 

 

頭痛の治療法

 

ここからは、先ほど挙げた頭痛について、薬での治療法と鍼灸の治療法をお話していきます。

 

 

頭痛の薬

緊張性頭痛の場合は、痛みを抑えるNSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤)が主体となっています。よく聞かれるロキソニンやバファリンがこれに当たります。

 

 

また頭痛で処方される筋弛緩薬は、筋緊張を改善するという意味では根本治療としての薬ともいえます。

 

 

片頭痛では、頭痛発作を抑える薬と痛みの再発を抑える予防薬の二種類があります。

 

 

またNSAIDSも血管から出た炎症性物質を抑える点で有効です。

 

 

群発性頭痛では、糖尿病の患者さんのような自己注射の薬が即効性があるとされています。

 

 

また保険適応外になりますが、点鼻薬もあります。

 

 

 

頭痛の鍼灸治療

さて、次に鍼灸治療では、どうなっているのでしょうか?

 

 

筋緊張性頭痛では、首肩周りの筋肉の緊張を取るために施術していきます。

 

 

ツボでいうと、天柱(てんちゅう)・風池(ふうち)・完骨(かんこつ)・肩井(けんせい)などが挙げられます。

背中のツボ

 

三叉神経痛における鍼灸治療では、三叉神経の領域に鍼灸をしていきます。

 

 

ツボでいうと、頷厭(がんえん)・懸顱(けんろ)・頭維(ずい)・太陽 などです。

側頭部のツボ

 

群発頭痛でも、筋緊張性頭痛のような頸部周りのツボを用いることが多いようです。

 

 

 

東洋医学的な頭痛の考え方

 

まず大きく2つ分けられ、外邪を受けて起きる外因性というものと、気・血・津液の不足、もしくは滞りにより起こるもの内因性というものがあります。

 

 

外因性のものは感冒によるものが多いため、今回は省略いたします。

 

 

 

内因性頭痛

東洋医学では体内には気血津液が全身を巡って健康を保っています。

 

内因性の頭痛では、この気血津液の不足や流れの滞りが病を引き起こすと考えられ、以下の4つがあります。

 

 

  1. 1.肝気鬱結
  2. 2.痰湿
  3. 3.血虚
  4. 4.血瘀

 

 

 

肝気鬱結

肝気鬱結では、怒りによるイライラで気が滞り、頭痛を起こすものです。

 

 

片側のコメカミや頭頂部が痛み、眩暈伴うこともあります。

 

 

東洋医学では肝は気の流れを司っていますが、この作用は怒りの感情で不調を起こします。

 

 

肝気鬱結では、気を巡らせる太衝などのツボを使います。

 

 

 

痰湿

痰湿では、甘い物や脂濃い物の過食で痰湿という物質ができます。

 

 

これが頭の経絡を滞らせて頭痛を起こります。

 

 

頭の重怠さやぼんやり感が主とする頭痛で、天候が悪い時に悪化するものです。

 

 

痰湿では、津液の流れを良くする豊隆などを用います。

 

 

 

血虚

血虚では、血の不足により脳髄が栄養できなくなり頭痛を起こします。

 

 

頭がクラクラして痛みが、痛みが長く続く。

 

 

血虚では血を補うツボである血海などを用います。

 

 

血瘀

瘀血では、長い病気や外傷などにより、瘀血ができ頭部の経絡に阻滞して起こる頭痛です。

 

 

いつも決まった所が刺すように痛くなる頭痛です。

 

 

血瘀では、血の流れを良くする三陰交などを用います。

 

足のツボ

 

 また部位によって、前頭部は陽明頭痛、頭頂部は厥陰頭痛、側頭部は少陽頭痛、後頭部は太陽頭痛に分けられ、痛む場所付近のツボを加えることもあります。

 

 

前頭痛は陽白・上星、頭頂痛は百会・前頂、側頭痛は率谷や太陽、後頭痛は天柱・後頂を使います。

 

頭の部位部位別 ツボ

 

筋緊張性頭痛では、温罨法やストレッチ、マッサージをおススメします!

 

筋緊張性頭痛では、筋肉の緊張によるものなので、自宅でのケアでも十分に対処できます。

 

 

周囲の筋肉を緩めるように、首肩を温めたり、先ほどのツボ押しなどが有効です。

 

 

頭痛でお困りの方は、参考にしてみて下さい。

 

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