顔の歪みを治すためには、外科的な方法からエステに至るまで、実に様々な手段があります。
その中に、徒手矯正法(としゅきょうせい、手で行う整体の事)があります。
小顔矯正や、頭蓋骨矯正などがそれにあたります。
顔や頭蓋骨の骨を矯正して、顔の歪みを整えるのですが、なぜ顔は歪むのでしょうか?
顔が歪む主な原因には、以下のものがあります。
これらの原因を考慮しながら、手で顔や頭の骨を押して、歪みを整えていくわけです。
しかし、中には遺伝、成長上の問題によって骨がいびつに歪んでしまい、小顔矯正のような整体法では歪みが治らないものもあります。
今回は、なぜ顔が歪んでしまうのか?
そして、整体ではどのような矯正を行うのかをご紹介していきます。
顔の整体へ通う前に、顔の歪みについて予習を行っていきましょう。
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顔が歪む原因には、次のものが挙げられます。
小顔矯正や頭蓋骨矯正について調べたり、実際に受けた経験のある方でしたら頭蓋骨の縫合(ほうごう)という言葉を聞いた事があると思います。
お母さんのお腹の中から生まれる時に、いくら体の小さい赤ん坊だとしても出てくるのは難しいです。
そんな時、頭蓋骨はこの縫合(ほうごう)と呼ばれる関節を押しつぶす形で頭を小さくして、お母さんのお腹の中から出てきます。
なので、生まれたばかりの赤ん坊の頭は変形しています。
出産してからほどなく、頭の形は元に戻ってくるのですが、この時期の赤ん坊の頭の骨は柔らかいです。
同じ方向で寝かせていたりするだけで、頭の形が悪くなってりもします。
そして、この時期の頭の形は今後の顔の歪みにとって、とても大事な役割を担います。
一般的な赤ん坊の頭の形は、次のようになります。
しかし、中には次のような頭の形の赤ん坊もいます。
片方の頭のはちが出っ張り、反対側のおでこが前の伸びたような頭の形です。
こういった頭の形を斜頭といいます。
斜頭の赤ん坊の顔は、次のような特徴があります。
当院に来院される患者さんの中にも、このような症状を訴える方も多く、その方の頭の形を触ってみると、後頭部やこめかみの形が左右が異なっています。
この他にも、後頭部が平たい形をした短頭症。
後頭部やおでこの丸みが顕著な、長頭症の方もいます。
いずれの症状にも共通していえる事は、成人して頭の骨が固くなってから治す事が難しいという事。
なので、小さいお子様がいるお母さんは、ご自身の赤ん坊の頭の形が崩れないように、片側で寝かさないようにするなど、気を配ってみると良いでしょう。
口を開けるとポキポキ音がしたり、開け辛さを感じた事はありませんか?
そのような症状があった場合、顎関節症(がくかんせつしょう)かも知れません。
顎関節症はその症状の程度で、5つに分類分けされています。
【1型】
口が開きづらく、痛みや音が伴うもの。
骨や軟骨に問題がなく、主な原因が筋肉によるもの。
【2型】
関節円板などの軟部組織の微細外傷からくる炎症によって、奥歯に力を入れた際や、大きく口を開ける時に痛みがあるもの。
【3型】
顎関節症の3型は更に、3a型と3b型の2種類に分けられます。
・3a型の顎関節症
顎関節には、口が開く角度に応じて骨が擦れあって摩耗しないように、骨をガードする関節円板という組織があります。
この関節円板は外側翼突筋という口の中にある筋肉にくっついていて、口を開いた時に形や位置が変わる特徴があります。
口をあけて関節円板がずれたあと、元の位置に戻るものを3a型の顎関節症といいます。
・3b型の顎関節症
口を開けた時に、関節円板が元に戻らないものをいいます。
【4型】
症状が進み、顎の関節部の軟骨が変性して、骨の変形をもきたすものをいいます。
【5型】
1~4型のどれにも分類できない原因不明の顎関節症を5型の顎関節症と分類します。
このように、どのステージであっても口の開け閉めに支障が生じます。
すると、顎の位置がずれて動き制限された状態が、固定化されます。
顎が歪むと骨格が歪むので、それだけでも顔の歪みの原因になります。
そして、顔の表情を作る表情筋が使われなくなる事で、口角の高さに差が生じ、顔の歪みがひどくなってきます。
ご自身の顎が歪んでいるかどうかのチェックを、行ってみましょう。
割り箸を上に歯を舌先で挟んで、下顎を左側へ動かしてみて下さい。
そして次に、下顎を右側へ動かしてみて下さい。
顎に歪みがある方は、顕著にどちらかの動きが出来なくなります。
これは顎が歪むことで、顎まわりの筋肉が使えなくなる事に原因があります。
そんな歪みを鍛えるには、次の方法を試してみて下さい。
【やり方】
1.上の歯と舌先で割り箸を挟む。
2.舌先が左右にずれないように、顎先を左に動かす。
3.同じく、舌先がずれないように顎先を右へ動かす。
下顎が歪んでいる方は、この行程のどれか1つがやりづらいはずです。
その動きを中心に、各10回づつ体操を行って下さい。
これらの癖はないでしょうか?
この癖を続けてしまうと、継続的な力が顎に加わり、下あごの位置や顔の骨に誤った力が影響した結果、骨格レベルで顔が歪んできてしまいます。
癖を長期間放置してしまうと、歯の咬み合わせも悪くなります。
実際に咬み合わせが良いか悪いかは、見た目では分かりません。
矯正の歯医者さんで、セファログラムというレントゲンで診てもらう他にも、いろいろな精密検査を受けなければなりません。
実際に、歯の矯正を受けながら当院に来院されている患者さまも大勢いらっしゃいますが、歪みがひどければひどいほど、治療期間もお値段もかかる傾向があるようです。
子供のころであれば、比較的治りもよい事が多いらしいです。
ひどくなってしまう前に、悪い生活習慣を改める事をおすすめします。
体が歪むと顔は歪みます。
まず、なぜ体は歪むのかという部分から、ご説明させて頂きます。
習慣的にスポーツをやっていない場合。
体が歪む主な原因は、意識をしない部分での体の使い方にあります。
例えば、なにげなく座っている姿勢。
気づかないところで体を歪める原因となります。
長時間、椅子に腰かけていると、体重をどちらか片方にかけて座る事が多くなります。
すると、下の写真のように椅子が傾いてきます。
このような状態で座っている場合、もちろん骨盤の歪みます。
整体に通うと、整体師に「脚を組まないようにして下さいね」と注意されることが多いのですが、骨盤を傾けて体重をかける事によって骨盤の歪みが固定化されてしまう危険性があるからなのです。
骨盤の歪みが固定化された場合。
股関節の動きが制限されてしまいます。
片方の股関節は開くのに、もう片方の股関節は開かないという具合です。
また、骨盤の歪みは背骨や肩甲骨の歪みの原因にもなります。
先程の写真のように、骨盤の左側が前側に歪んだ場合。
骨盤全体として右側を向いています。
その場合、背骨。
特に腰よりも上の背骨は、全体的に左に捻じられてバランスをとる事が多くなります。
しかし、それだけではバランスを取り切れない場合は、首や顎まで歪ませてバランスをとろうとしてしまいます。
ここまで体が歪んでしまった場合は、骨盤の歪みだけを治しても顔の歪みがよくなることは少ないです。
このような場合は、積極的に顎の歪みをとる整体を行っていきます。
また、顔の歪みがでてきて、食いしばりがあった場合は、顔の歪みまで固定化されてしまう可能性が高いです。
食いしばる時に主に使われる筋肉が咬筋(こうきん)という筋肉になります。
過度は食いしばりはこの筋肉を肥大化させるので、四角い顔の印象が強くなります。
四角い顔を好まない女性も多いので、日中の食いしばりは極力しない方が良いでしょう。
また、整体では食いしばりは、顎の歪みを中心に顔の矯正を行っていきますが、食いしばりがあると矯正して正しい位置に戻したにも関わらず、再度悪い位置に戻ってしまいます。
夜間の食いしばりは意識して止める事は難しいのですが、日中の食いしばりであれば止める事が出来ます。
そんな時におすすめしている方法が、行動認知療法という方法です。
簡単にいうと、普段の体の使い方を意識しましょうという方法。
仕事中に目いきやすい部分にマークを貼り、そのマークを見たら意識的に食いしばりを止めるというもの。
スマホの待ち受けを工夫してみてたり、パソコン仕事の方は、ディスプレイの部分に付箋貼ってみると良いですよ。
しかし中には、昼間食いしばりではなく、夜間の食いしばりがやめられないという方も多くいます。
そんな夜寝ている間の食いしばりを止めるには、肋骨や横隔膜(おうかくまく)の調整を行うと症状が軽くなる事が多いです。
体には常に使われている臓器があります。
それは、心臓です。
心臓は各細胞へ酸素などを運びエネルギー熱を生産し、生命活動を維持させます。
そして、心臓と同じように日々使っている筋肉が横隔膜になります。
横隔膜はみぞおち部分にあり、パラシュートのような形をしています。
息を吸うときに縮み、胸腔内を陰圧にして肺胞に酸素を取り込みます。
これが、基本的な横隔膜の働きです。
そして、肋骨の歪みがある場合。
この横隔膜の働きが弱まってしまいます。
正常な肋骨の動きが出る場合、息を大きく吸う時に肋骨が上に広がり(外旋)、胸の横径が広がる事が確認出来ます。
ですが、肋骨が歪むと息を吸う前から肋骨が開いているために、肋骨の動きが制限され、胸腔内へ酸素を取り込めなくなってしまいます。
いわゆる、呼吸が浅いといった状態になります。
しかし、それでは体に酸素が足りずに苦しいので、肋骨の動きの代わりに肩をすくめて、呼吸を深くしようとします。
これを『副呼吸』というのですが、この呼吸を続けていると、首や肩の筋肉が過剰に使われるために、首こりや肩こりの原因になります。
それ以外にも、この呼吸は食いしばりの原因になると考えています。
『食いしばりを治すには何故柔らかいみぞおちが必要なのか?』で紹介していますが、このような方は、みぞおちを指で圧迫する押すと過敏に痛がります。
東洋医学ではこの状態を心下痞硬(しんかひこう)といい、自律神経の乱れからくる不眠や疲れなどの症状と似た問題出てきます。
顔の歪みがひどくなるばかりではなく、疲れや凝りなどの症状をも引き起こす食いしばり。
くびれの高さの差や、呼吸が浅いといった自覚がある方は、こちらの体操で調節してみて下さい。
整体師が顔の歪みを矯正する時は、顔面骨の動きを考慮しながら治していきます。
僕は、顔面骨の噛み合わせと説明するのですが、顔の骨の動きが悪くなると歪みやすくなります。
特に意識して調整する骨が、次の4つになります。
【前から】
【横から】
【後ろから】
この4つの骨は、それぞれに繋がっていて、顔のバランスをとっています。
また、顎を動かす筋肉の矯正も同時に行っていきます。
特に、外側翼突筋(がいそくよくとつきん)という顎の動きを調節する筋肉を治す際に、これら4つの骨の矯正が必要になってくるのです。
外側翼突筋は、蝶形骨から、下顎骨と関節円板についている筋肉です。
主に、口を開く際に下顎を前に引き出す際に使われる筋肉です。
また、反対側の側頭筋(そくとうきん)と動くで、顎を左右に動かす作用もあります。
口の開け閉めを調節する筋肉でもあり、体とのバランスをとる筋肉でもあるのです。
この内側翼突筋を調整すると、顎の歪みが整うのですが、先程の4つの骨が歪んでいると内側翼突筋の調節がうまく行えません。
骨盤や背骨は体操を行って頂ければ、自分で矯正する事も可能です。
ですが、自分で顔の矯正を正しく行う事が難しいという背景もあります。
なので当院が、顔の矯正を専門にした整体を行っているわけです。
さて、顔の歪みの原因や、整体で行う矯正法の事を学んできたわけですが、そもそも自分の顔の歪みが治るものなのかという疑問が出てくるわけです。
なので、当院によせられるお悩みの内で、治るものと治らないものの分類分けをしていきたいと思います。
顎の歪みは整体で治しやすい歪みではあります。
ですが、顎変形症(あごへんけいしょう)のような骨自体に問題がある歪みは、整体では治せません。
顎変形症とは、上下の顎の骨の大きさや位置が合っていないため、上顎が前にでていたり、下顎が極端に前に出ている症状の事をいいます。
受け口の方などは、顎変形症を患っている場合も多いです。
こういった場合は、手術と歯列矯正の両方の治療が必要になる事もあります。
当院に相談しに来られて、転院をすすめた方もいます。
おかしいと思ったら、歯医者さん、口腔外科さんへ相談してみて下さい。
頬骨が気になるポイントは以下の2つです。
頬骨が張る原因は、骨の成長の仕方に原因があります。
青い矢印の方向へ骨は成長していきます。
これは遺伝的要素も大きく、更に冒頭で紹介したような斜頭の方は、頬骨の高さにも差が生じます。
頬骨を取って外してくっつけるような矯正は行えませんが、整体で『全身~下顎~蝶形骨』のバランスをとり、日常生活でかかる頬骨にかかる負担を分散する事で、変化が出る方も多いです。
小顔と一言にいっても、どこの部分を小さくしたいによって効果は変わってきます。
一番小さくなりやすいのは、エラ張りです。
食いしばりがある方は、肋骨を矯正して、顎のバランスをとり、鍼灸で自律神経の治療を行うと、エラの筋肉が小さくなりやすいです。
顔の横幅なども、同じように矯正すると反応が良いです。
その一方で、顔の長さを治す場合は期間が長くなります。
『口の歪みの進み具合は上顎の歪み方に比例する!?』で紹介しているような上顎の矯正を行いながら、バランスをとっていく事が多いので、顔の長さが気になる方は参考にしてみて下さい。
整体へ通う前に、プロの視点から気をつけるべき3つの注意点をご紹介します。
整体院は、開業する時に免許が必要なわけではありません。
開業における法制度もしっかりしていないので、セラピストによって勉強している量がまちまちです。
もの凄く勉強している先生もいれば、それほど勉強していない方もいらっしゃいます。
とある小顔矯正院では、1カ月の社内研修だけで患者さんを担当させてしまっているところもあります。
顔の事を何も勉強しないで通院してしまうと、後悔してしまう事もあります。
勉強すれば施術が上手くなるわけではないです。
ですが、なるべく詳しいセラピストの施術をうけたいと思う方は、あらかじめ調べてから通院する事をおすすめします。
整体だけではありませんが、値段が高いとそれだけ効果があるように思ってしまいやすいです。
もちろん、安すぎる場合は、それなりのクオリティーにはなってしまいますが、、。
顔の歪みを治す場合。
今回ご紹介したように、実に多くの原因があり、それを1回の施術で治す事はほぼ不可能です。
僕はまだ見た事がありませんが、治せるセラピストがいたとしても日本で数名でしょう。
シンガポールや韓国のカジノで一晩に何百万円、何千万円も使えるような富裕層が日本にもいるのは確かです。
そのような方々は、1回の施術が高かろうが問題ないでしょう。
ですが、毎月の生活を切り詰めて貯めたお金で、1回で治るという期待を込めて、施術が数十万円もする整体へ行っても、期待するほど良くならないと思います。
1日で腕立て伏せを1000回行うよりも、100回を10日に分けた方がマッチョになれるように、顔を治して正しい位置を固定する為には、一定期間正しく筋肉を使う必要があるからです。
これらのリスクも考慮して、それでも受けたいと思う場合は、担当の先生としっかりと話し合って後悔しないように、納得してから受けてみて下さい。
顔や体の骨格矯正をすると、歪みが整います。
それは、骨格の歪みが原因で本来使わなくてもよい筋肉が使われす過ぎてしまうからです。
骨格矯正が主に行いたい事は、使いすぎている筋肉を抑制する事です。
肩こりの方は、僧帽筋の上部が使われすぐていますし、エラ張りの方は咬筋が使われ過ぎています。
これらの筋肉を抑制するには、まず骨格を正しい位置に戻します。
そして、正しい位置で関節を動かせるように、弱っている筋肉を鍛えます。
そのために、エクササイズが必要なのです。
歪みの度合いにより個人差はありますが、整体に通院する頻度は、それほど多くありません。
多くとも1週間に1度。
長ければ、1カ月に1回程度です。
その間、何も意識せずに生活していた場合は、やはり歪みが治るのに時間がかかってしまいます。
整体に通っていない時も、積極的に歪みを整えるエクササイズを行い、自ら歪みを治そうという心がけは必要になります。
そんな方にオススメするセルフ矯正のやり方をご紹介いたします。
近くに良い整体がない。
やり方がわかない。
そんな時は、『リビジョン銀座のfacebook』からコメントを頂ければ、お答えさせていただきます。
是非、活用してみて下さい。
今回は整体へ通う前に、皆様に知っておいて頂きたい事を、ご紹介させて頂きました。
まずは、①顔の歪み原因について。
【顔が歪む主な原因】
様々なことが原因で、顔が歪んできてしまいます。
そして、原因はこの中の1つだけではなく、2つも3つも重なってきてしまうので、困ったものです。
そして、②顔の整体について。
顔の矯正は、顔の骨の噛み合わせを治し、体との連動を改善していく整体術です。
顔だけでなく、首や肋骨の矯正を組み合わせ、歪みに原因を取り除いていきます。
また、よく寄せられる相談を例に、③治しやすい歪み、治しづらい歪みについてを、ご説明致しました。
顎変形症などの重度な歪みには対処出来ない場合もありますので、整体へ通う時は、注意してください。
④通院の際に気を付けて頂きたい整体院の特徴が3つ。
有名な整体院だからといって、下調べしないで通うと、後々後悔する事になります。
納得した上で、通院する事をおすすめします。
僕も今まで、骨盤の歪みやO脚矯正など、様々な歪みの矯正を行ってきました。
その中でも顔の歪みの矯正は、習得する事がとても難しい技術でした。
顔の歪みは体の歪みに比べて洋服などで隠せない分、目立ちやすく気になりやすいものです。
インターネットが普及する前は、情報を集める事が難しかったのですが、ネットが普及した現代では、数ある情報の中で、どれが正しいのかを判断する事が難しくなってしまいました。
「顔の整体ってどうなのかな?」
と疑問に思った時の参考になっていれば、幸いです。
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