若々しい肌の代名詞として、「ハリのある肌」と表現します。
肌がたるみなく、ピーンと張って弾力がある状態を指しています。
肌は表面から、次の3つの組織に分かれています。
この中でも肌のハリと関係が深い組織が真皮(しんぴ)になります。
この真皮がなぜ大事になってくるかというと、肌にハリを出させるためのコラーゲンやヒアルロン酸を作りかえる部分になるからです。
「コラーゲンたっぷりの食事で、お肌プルプル」
このようなCMを見たり、聞いたりした方もいらっしゃると思うのですが、コラーゲンやヒアルロン酸が多いと肌のハリ度合いが変わってくるのです。
なので、肌にハリを出そうとコラーゲンたっぷりの食事をとろうと考えるのですが、実は、食事から直接コラーゲンをとらずとも、『ある栄養素』を摂取すればコラーゲンは自分で作りだす事も出来るのです。
その栄養素が、タンパク質になります。
また、鍼灸治療やツボ押しでも、肌のハリ感をあげることも出来るのです。
今回は肌のハリについて、肌の構造とそれに必要な食事、おすすめのツボについて話をしていきます。
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まず肌の真皮という部分について説明していきます。
真皮は表皮の下にあり、表皮に栄養や水分を与えています。
美容でよく聞くコラーゲン・エラスチン・ヒアルロン酸などはこの部分にあります。
細かくお話していくと、真皮は3つの成分で出来ています。
線維は、主にタンパク質であるコラーゲンとエラスチンがあります。
コラーゲンとは、丈夫な線維の束で、柔軟性や弾力性に富み、外部の刺激に対するクッションや皮膚の引っ張りに耐える役割があります。
真皮の70%はコラーゲンで出来ています。
線維芽細胞という細胞で作られ酵素で分解していき、2~6年かけて代謝していきます。
エラスチンの割合は約2~3%と少ないですが、このコラーゲンの線維と線維を繋ぎとめる役割があり、約2.5倍に伸びる程の伸展性があります。
この2つの線維の間をゼリー状の基質というものが埋めており、主成分はたんぱく質と糖が結びついたムコ多糖類という物質です。
ヒアルロン酸やプロテオグリカンなどがあり、高い保湿性があり肌の弾力と潤いを担っています。
プロテオグリカンは、ヒアルロン酸より1.3倍の保湿力を持ち、さらに表皮増殖作用や、抗炎症作用もあります。
またこの基質というゼリーの中をいくつかの細胞が動き回っています。
肥満細胞、形質細胞などの免疫細胞が挙げられますが、美容で大事になってくるのは、線維芽細胞です。
線維芽細胞とは、傷いたり古くなったコラーゲンやエラスチン、アルロン酸などを壊し、新しく作り変える細胞です。
この線維芽細胞が元気よく働いてくれれば、新しいコラーゲンやヒアルロン酸などに作り変えてくれるので、ハリのある肌を保つことができます。
しかし、紫外線や活性酸素に弱く、これらの刺激により機能が低下してくると、たるみやしわなどの原因になります。
線維芽細胞がコラーゲンやヒアルロン酸を作るには、ビタミンが代謝を援助し、アミノ酸を材料に作るため、食事が大事になってきます。
ここからは栄養素についてお話していきます。
食べ物は身体を作るものなので、偏食や無理なダイエットは肌や内臓にも悪い影響を与えます。
食事で重要となるのは、栄養素のバランスです。
栄養素の種類は多く挙げるときりがないので、今回は特に重要な「たんぱく質」と「ビタミン」について挙げていきます。
人体はたんぱく質で構成されており、肌で重要なコラーゲンやエラスチン、グルコサミンなどもたんぱく質の1つです。
たんぱく質はアミノ酸がたくさん集まってできており、身体を構成しているアミノ酸は20種類あります。
その中でも体の中で合成できないものを必須アミノ酸と言い、9種類あります。
このアミノ酸をバランスよく取るために重要となってくるのが、アミノ酸スコアです。
アミノ酸スコアとは、たんぱく質の中に必須アミノ酸がどれくらい含まれているかを表す指標です。
この指標が100に近ければ近いほど、良質なたんぱく質という事になります。
比較的、肉類がアミノ酸スコアが高い傾向にありますが、良質なたんぱく質としておススメなのが、大豆です。
大豆のアミノ酸スコアは100で、さらに肌に良いアミノ酸であるアスパラギン酸、セリン、プロリンが多く含まれています。
さらに大豆イソフラボンは、女性ホルモンに似た効果があり、線維芽細胞を増殖・活性化してくれます。
ビタミンとは、主に身体の代謝を効率よく行えるようにしてくれる栄養素です。
どれも大切なのですが、美容で重要となってくるのはビタミンA・B・C・Eです。
ビタミンAは、線維芽細胞を増やし、皮膚や粘膜の合成や健康維持をしています。
ビタミンB群では、B2が皮膚のターンオーバーのサポートを行い、B6は皮膚炎を予防し、肌荒れを防いでくれます。
ビタミンCは、コラーゲン特有のアミノ酸を作るに必要となります。
ビタミンEは、強い抗酸化作用があり、老化の原因である活性酸素から細胞を守ってくれます。
またビタミンCとEは、同時に取ることで、相乗効果があります。
美容のためのビタミンを取るのにおススメなのが、クレオパトラが愛飲していたと逸話もあるローズヒップのハーブティーです。
ローズヒップは、ビタミンCがレモンの20倍多く含まれており、「ビタミンCの爆弾」とも言われています。
熱に弱いビタミンCですが、ビタミンPが熱から守ってくれるため、ハーブティーにしても壊れることなく摂取出来ます。
またビタミンAやビタミンEも多く含まれています。
味は酸っぱさが強いので、蜂蜜やホットミルクを混ぜるなど工夫すると良いと思います。
それではここから、東洋医学と肌のハリ、ツボのお話をします。
最近、美容鍼灸という言葉が聞かれるようになりました。
小顔や肌のハリなど美容を目的にお顔に鍼をするものが多いです。
確かに顔に鍼をすることで、循環改善によりむくみが取れて小顔になったり、真皮の代謝を促して肌にハリを出せたりします。
しかし、顔など局所だけではなく、全身症状を診て体質を見極め、治療を進めていくのが東洋医学の良いところです。
それでは肌のハリを東洋医学的に考えていきましょう。
東洋医学では、皮膚は肺が司るといわれていますが、この皮膚というのは、表皮の部分を指し、肌の潤いや腠理(そうり)と呼ばれる汗腺、外邪からの免疫機能を示しています。
肌のハリに関わる真皮は、脾が司る肌肉(きにく)と呼ばれる部分に含まれます。
脾は、西洋医学での脾臓とは異なり、食事から栄養分を作り出し臓腑へ運ぶ役割があります。
この栄養分があることで、肌肉は健康的で弾力を保つことができます。
この脾の失調に陥ると、臓腑や肌肉への栄養分が損なわれ、老化を早めてしまうと言われています。
また脾の役割には、昇清(しょうせい)作用という身体の五臓六腑などを正しい位置に留める作用があります。
この作用が弱まると、胃下垂や眼瞼下垂など本来あるべき位置から下垂する症状が起こり、これが肌肉で起こることで、肌のたるみとなります。
この昇清作用が低下した状態は、脾の気の不足である脾気虚(ひききょ)の進行した状態であり、これを中気下陥(ちゅうきげかん)といいます。
脾が弱る原因として、食事の不摂生や疲労、湿邪(しつじゃ)などがあり、やはり東洋医学でも、食事と肌のハリは密接な関係があるという事です。
肌のハリを出すには、この脾の気の昇清作用を高める必要があります。
おススメのツボは、以下のものになります。
百会は頭の頂上にあり、気を上昇させる効果の高いツボで、精神安定や内臓下垂などによく用いられます。
中脘はおへそとみぞおちの中間にあるツボで、中気下陥に効果のある効能、補中益気(ほちゅうえっき)の作用があります。
補中益気の中とは、中焦(ちゅうしょう)といって消化器機能全体の事を表し、消化器の気を高めるという意味があります。
気海は、読んで字の如く、気が海の水のようにたくさん集まっている所で、気を高め、上に挙げる作用があります。
足三里は、万能のツボともいわれ、消化器機能や免疫機能、さらには養生にも使われ、全身状態を良くするツボです。
ハリ肌を保つには、真皮にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが重要になります。
これらは良質なたんぱく質やビタミンを取ることで、線維芽細胞が古くなったヒアルロン酸を作り変えてくれます。
今回はタンパク質とビタミンにターゲットを絞りましたが、他にも大切な栄養素はたくさんあります。
できるだけバランスよく多くの食材を取ることが、健康できれいな肌につながってきます。
暑くなると食欲がわかない日のあるかと思いますが、そんな時には是非、先程のツボをお試しください。
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