柔道整復師の仕事は楽とはいえません。
拘束時間は長いですし、休みも多いほうではありません。
しかし、それでも患者さんの役に立ちたいと、仕事を頑張っている柔道整復師の方々が大勢いらっしゃいます。
一昔前は業界内では、徒弟制度という事もあり、ブラック企業も多かったのですが、最近は改善されているようです。
柔道整復師に限らず、良い職場の条件とはどういったものなのでしょうか?
このようなところでしょうか?
では、柔道整復師が勤務する職場としての良い条件は、どのようなポイントになるのでしょうか?
僕が考えるに、セラピストとして成長出来る環境が整っている職場だと思います。
スタッフとして会社勤めをしていたころは、会社の悪い部分にばかり目がいってしまい、なかなか会社の良い部分を理解出来ませんでした。
ですが、いざ独立してみるとその技術1つ1つが、その文句をいっていた職場から学んだものであるという事に、気付かされます。
いざ、自分で開業してスタッフを雇っていく上で、今までの職場の良い部分は残しつつ、嫌だったところを改善して、勤務条件の改善を行いながら、柔道整復師として成長する事の出来る職場環境を目指していきたいのです。
ですが、ここで大きな問題が出てきます。
勤務条件がどんなに良くとも、セラピストとして成長出来る職場だとしても、人間関係が良くなければ、悪い職場になってしまうという事です。
昔勤めていた会社の社長に、言われた事があります。
「スタッフはあれが嫌です。これが気にくわないです。こういう勉強がしたいのです。など色々な辞める理由を言ってくる事も多いが、結局、大元の理由は勤め先のボス。つまり院長の事が気に入らないから辞めるのです」
今思うと、その通りだと思います。
結局のところ、院長やオーナー、上司と合わない。
もしくは、合わなくなってきたから、退社していくのです。
これは、人間性が合わなくなってくる場合もありますし、会社としての理念と考え方が合わなくなってくる場合もあります。
例えば僕の例だと、こんな経験があります。
以前に当院のスタッフではないのですが、独立したいという気持ちはあるけれども、資金や経営などの知識に不安がある方の独立を手伝おうとした事があります。
しかし、最終的には向こうから断られました。
最初は僕が資金を出すという形式だったので、歩合給をかなり多くした、勤務条件としては誰に聞いても、相手側に良すぎる条件を提示しました。
ですが、それは僕の考えであっただけで、その方の理想の給料ではなかったという事も考えられます。
この場合も、勤務条件だけで判断したわけではないのではなく、結局は、僕の考え方とその方の考え方が合わないと判断して、仕事をやっていけないと判断した結果なのです。
その後この方は、勤め先の店舗をひとつ任されたようです。
僕のような個人で経営も現場の仕事行っている接骨院では、大きな会社単位でやっている接骨院と比べると、スタッフの給料や休みを変える事は簡単です。
ですが、勤務条件が良いだけの職場など、他にも沢山あります。
初任給から27~28万円の接骨院もありますし、年間休日が120日以上の職場もあります。
しかし、おそらくそのような良い勤務条件の職場であっても、スタッフが辞めないわけではないでしょう。
それにはやはりかなり高い確率で、人間関係の良し悪しが関わってきているのだと思います。
このような事を含め、勤務環境の良い職場とはどのようなものなのかを、考えていきたいと思います。
目次 [非表示]
柔道整復師の仕事の特徴は、患者さんの身体的な悩みを解決する事でしょう。
まず、柔道整復師のメインの仕事は、ケガの施術です。
捻挫や打撲などを治していきます。
痛みという悩みから解放させる事を、生業とするわけです。
ですが、今ケガの施術ばかりを行っている柔道整復師は少ないでしょう。
ケガではない痛み。
肩や首、そして腰や膝など慢性的な痛みの施術を行っている柔道整復師が、殆どのはずです。
肩、腰、膝の痛みの施術のスペシャリストになりたい場合は、整形外科もしくは、接骨院で働く事がベストです。
なにしろ、1日に診れる患者さんの数が違います。
柔道整復師は経験職なので、1日2日で腕は良くなりません。
長い年月働いて、色々な症状の患者さんを診て経験を積む事で腕が磨かれいきます。
なので、色々な症例を経験した方が良いのです。
その為には、整形外科や接骨院が適しています。
求人をかけているようなところでしたら、まず間違いなく、大勢の患者さんが来院されます。
なので、整形外科や接骨院で働く事が良い方法になるのです。
ただ注意しなければならない事があります。
それは、施術院によって施術の方法が変わるという事です。
例えば、当院の施術は顔や顎の矯正が多いです。
体の矯正1つをとっても、特殊(らしい)です。
(僕は特殊だとは思いませんが、入社してくるスタッフからよく言われるので)
10年近くキャリアがあるセラピストでも、一から学ばなければならない事もあります。
当院のスタッフの殆どが、以前はどこかの施術院で勤務した経験がある方ですが、僕の施術に対する考え方と合わない事が原因で、辞めていく方もいました。
大きな会社で勤めている場合、上司と性格が合わない場合は、勤務先を変えて貰えれば良いだけです。
ですが、当院のような個人経営の接骨院の場合、上司と合わないのであれば辞めるしかないのです。
セラピストとして、どんな症例を診ていきたいかで、勤務先を選ぶべきです。
ですが、その施術院がどのような施術を行っているのかも確認するべきです。
この2つを確認せずに、折角就職したはいうが、思っていたような施術が学べずに、すぐに退職してしまうなんて悲しすぎます。
給料や休みなどは、勤務条件を確認すれば簡単に分かります。
ですが、どんな施術をしているのかは事前には分かりません。
なので、その危険性を避けるために、体験入社などを申し込んでみても良いかも知れません。
平日何日かと、土日を過ごしていれば何となく職場に雰囲気は分かりますし、院長や上司と合いそうかなども分かると思います。
これらを事前に確認する事をおすすめします。
柔道整復師のメリット、特徴は、施術を通して患者さんの身体的な悩みを解決する事。
では、柔道整復師のデメリットは一体どんなものなのでしょうか?
セラピーが好きな方でしたら、柔道整復師のデメリットは次の2つになるでしょう。
雇われてスタッフとして働くのであれば、20万円~30万円程度。
院長を任されるのであれば、院の売上げに左右されますが、35万円~100万円程度。
休みは、未だに週休1日のところもあるようですが、最近が週休2日のところが多くなってきました。
柔道整復師は職人気質の方も多いので、お金のために仕事をやっているわけではないという方も多いです。
ですが、資本主義経済の日本では、そのルールの中で生活をしなければなりません。
つまり、稼がないと生活出来ないのです。
月25万円では、独り身であれば生活出来ます。
ですが、東京で生活する場合、結婚して子供が出来たら生活するには厳しいでしょう。
なので、どこかの段階で出世、もしくは、独立しなければならないのが、柔道整復師という職業なのです。
では、雇われていた状態で東京都の平均年収である600万円(2016年度)を稼ぐにはどうすれば良いのでしょうか?
柔道整復師の業界はボーナスが少ないので、単純に年収を12ヶ月で割った場合は月50万円稼がなければなりません。
僕が都内の大手接骨院グループの分院長をやっていた時は、僕とスタッフ1人で、1日に患者さんを50人以上は診ていました。
月の売上げは大体、300万円前後。
そしてその当時の月収が、40万円程度。
これは院長の給料としては、平均位でした。
売上げに対して歩合がつくので、売り上げれば売り上げるほど給料も増えます。
会社によって歩合のつきかたが変わるので、しっかりとした事は言えません。
ですが、雇われていた場合は1日50人程度の来院では、平均的なサラリーマンの年収にも及ばないという事です。
たしかに、会社にいればバックアップがあるので、ある程度安定して患者さんが来院してくれます。
これはメリットの1つです。
ですが、平均的な技術力では、収入面で考えると、社会一般の平均にも満たないのです。
結局のところ、柔道整復師のデメリットの1つである低賃金。
これを解決するには、雇われていようが独立しようが、柔道整復師として給料をあげるには、腕が良くなければいけないのです。
じつは、収入を上げる裏技として、副業をするという方法もあります。
なんの副業をするかにもよりますが、最初の努力を惜しまなければ、ある程度は稼ぐことが出来ます。
実際に努力次第で、柔道整復師の月給程度は稼げている方もいます。
給料の低さをカバーする方法は3つ。
給料においては僕達も手助けはしますが、自分でも努力しなければならない部分ですね。
続いて、拘束時間が長いという問題についてはどのようにすれば良いでしょうか。
一番簡単な方法は、休みが多い会社に就職する事です。
例えば、当院では週休3日での勤務も可能です。
年休にした場合、144日休めます。
それに、夏期休暇や有休もあるので、休みの多さでいえば、かなり多い方だと思います。
給料も26万円で減らないので、プライベートと仕事のバランスを取りたい方にはおすすめです。
これ以上に休みが欲しいという方もいる事でしょう。
その場合は独立して、自分の院を繁盛させる方法があります。
僕が修行していた接骨院の院長は、接骨院以外の仕事も忙しい方で、接骨院には月に8日ほどしか出勤しませんでした。
それでも優秀な副院長やスタッフがいたので、月の売上げは、かなりのものです。
しかも、それだけしか出勤していないにも関わらず、月に20日以上働いているスタッフの誰よりも予約が入っていました。
院経営を成功させてしまえば、このような勤務も出来るかもしれませんよ。
正直、休みを多い貰いたい場合。
柔道整復師にはならないほうが良いかも知れません。
柔道整復師以外の職業で、会社に出勤などせず、仕事は全て外注や自動化させ、年収2千万円は下らない金額を稼いでいる方もいます。
お金持ちはお金の集め方や稼ぎ方が上手いです。
このようになるには、相当勉強しないといけませんが、柔道整復師は頑張っても休みが多くなるような仕事ではありません。
休みが多く欲しいのは当たり前ですが、大事な事は、仕事とプライベートのバランスですね。
柔道整復師になるメリットは、患者さんの役にたてる事。
より患者さんの役にたつ為には、知識や技術を磨かなければなりません。
その為には、良い職場探しは重要です。
まず、どのような方面で患者さんの役にたっていきたいのか。
痛みで悩んでいる患者さんの役に立ちたいのか。
美容面で役に立っていきたいのか。
規模は大きくなりますが、大きな会社を設立して、社会面でも貢献できるような柔道整復師を目指してみるのも良いかも知れません。
まず、その為に必要な事を学べるような職場を探してみる事から始めてみると良いでしょう。
そして、その職場で、自分はどの程度頑張れるのか考えてみて下さい。
少しでも成長したいから、安い賃金で休むがなくても頑張れる職場なのか。
仕事とプライベートを優先させたい方は、それが保てる職場なのか。
人には合う、合わないがあります。
合わない場合の原因の殆どが、院長にあります。
また、いざ就職したがいいが、自分の理想と違う職場という事もあるでしょう。
そんな自体を避ける為にも、1週間程度はお試し期間を設けてみて下さい。
なんとなく、その職場の雰囲気が伝わる事でしょう。
これはどんな仕事でも言える事ですが、仕事をする上で職場環境が良いという事が一番大事な事です。
僕もどんな職場が良いのか、試行錯誤しながら院を作っています。
これから仕事を探していく柔道整復師さんは、この辺りのメリットやデメリットを考慮しながら、理想の職場に就職してあげて下さい。
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